先住民族ニュース(67 )
昨日送信したニュース分析でふれたインペックス(帝石)の工場立地と先住民族土地権のからみについて、
本日のABCのニュース映像が下記でみられます。
http://www.abc.net.au/news/video/2008/09/27/2375964.htm
たぶん明日くらいまではアクセスできると思います。
内容は
・ダーウィンでのインペックス社(黒田直樹社長)の会見
・インペックスの工場建設を歓迎するNTのアボリジニーの踊り
(NLCの動員でしょう。)
・インペックスに袖にされたWA新首相コリン・バーネットの会見
(まだ呼び戻すチャンスはある、と負け惜しみ)
・インペックス誘致に期待していたキンバリーのアボリジニーのがっかりした様子
(KLCの求心力はこれでかなり損なわれる...)
・海洋生態系への影響を懸念する原生自然協会のインタビュー
(以前、ECNTのコーディネータをしていたPeter Robertsonが登場)
黒田氏は、ダーウィンを選んだ大きな要因のひとつとして「先住民土地権の処理の流れが確実なこと」を明言しました。KLCはほぞを噛んでいることでしょう。
以上、続報の続報として、お知らせしました。
いくつかの領域でのニュース・コメントと身辺雑感メモです。ゼミのブログは別にあります( bb.kyoto-seika.ac.jp )。MagpieNews( newsmag.blogspot.com )なかなか復活させる時間とれません(・_・、) おもにTwitterで発信してます。
2008年9月27日
【Abs】西豪州、続報です
先住民族ニュース(66 )
【要約】 WA州政権の交代で、ウラン開発解禁、先住民族政策全般で変化必至
----------------------------------------------
すでに報道がほぼ一段落しましたが、西オーストラリア州の選挙結果は(実は 今も開票が進んでいるので公式には確定していませんが)、
http://www.abc.net.au/elections/wa/2008/
労働党・自由党ともに過半数をとれず(28議席ずつ)、結局、連立工作のす え、自由党と国民党の保守連合が無所属議員と政策協定をむすんで政権をとり ました。首相は自由党のCollin Barnettです。副首相のKim Hames(自由党) が先住民族担当相を兼務。鉱山・石油相はNorman Moore (自由党)、教育、 雇用、観光などの分野で先住民族政策にかかわってきた人物です。
前首相 Alan Carpenter(労働党)は責任を取って党首を辞任し、前の財務相 Eric Ripper が新党首、Opposition Leaderとなりました。
緑の党は上院(保守連合16、労働党16)で4議席を確保し、casting voteを握 りました。
いつもの当てにならぬ細川予想では、労働党と国民党の連立で労働党が州政権 を維持する(これは、西オーストラリアの政治風土ではありえぬことではな い)と読んでいたのですが、みごとハズレ <(_ _)>
今回の政権交代により、アボリジニーにとって当面おおきく影響することは3つ。
・保守政権に戻ったことにより、ウラン開発が解禁されます。世界最大の鉱床 であり、三菱が権益をもつキンタイヤ鉱区(カラミリ国立公園、いわゆるルド ール・リバー)の開発が最大の焦点。
── 現地の Martu アボリジニーのあいだで賛否が割れているので、非常に 厄介なことになります。
・キンバリー沖合でのインペックス社(その正体は帝石、日本国内での社名は 「国際石油」)による天然ガス開発の流れが変わる。
── 労働党(前政権)とキンバリー土地評議会(KLC)とがまとめあげたブ ルーム北部での精製工場建設は立ち消えになり、おそらくNT(たぶんダーウィ ン近郊)での精製に計画変更になるでしょう。もともと東チモール沖合ガス田 の受け皿としてもダーウィンのほうが有力候補地ですので、KLCとNLCの綱引き はこれでほぼ決着か?
(細川にとってはKLCから変なお手伝いを要求されずにすみ、一安心ですが。)
・パース先住権訴訟(現在、控訴審、被告は連邦政府とWA州政府)で、これま で和解協議の余地のあった労働党政権のWA州政府が保守政権にかわったことに なり、見通しがやや曇る。(連邦政府は労働党政権なので、被告どうしの対立 もおこるでしょう。)
以上、とりいそぎ、ご報告まで。
【要約】 WA州政権の交代で、ウラン開発解禁、先住民族政策全般で変化必至
----------------------------------------------
すでに報道がほぼ一段落しましたが、西オーストラリア州の選挙結果は(実は 今も開票が進んでいるので公式には確定していませんが)、
http://www.abc.net.au/elections/wa/2008/
労働党・自由党ともに過半数をとれず(28議席ずつ)、結局、連立工作のす え、自由党と国民党の保守連合が無所属議員と政策協定をむすんで政権をとり ました。首相は自由党のCollin Barnettです。副首相のKim Hames(自由党) が先住民族担当相を兼務。鉱山・石油相はNorman Moore (自由党)、教育、 雇用、観光などの分野で先住民族政策にかかわってきた人物です。
前首相 Alan Carpenter(労働党)は責任を取って党首を辞任し、前の財務相 Eric Ripper が新党首、Opposition Leaderとなりました。
緑の党は上院(保守連合16、労働党16)で4議席を確保し、casting voteを握 りました。
いつもの当てにならぬ細川予想では、労働党と国民党の連立で労働党が州政権 を維持する(これは、西オーストラリアの政治風土ではありえぬことではな い)と読んでいたのですが、みごとハズレ <(_ _)>
今回の政権交代により、アボリジニーにとって当面おおきく影響することは3つ。
・保守政権に戻ったことにより、ウラン開発が解禁されます。世界最大の鉱床 であり、三菱が権益をもつキンタイヤ鉱区(カラミリ国立公園、いわゆるルド ール・リバー)の開発が最大の焦点。
── 現地の Martu アボリジニーのあいだで賛否が割れているので、非常に 厄介なことになります。
・キンバリー沖合でのインペックス社(その正体は帝石、日本国内での社名は 「国際石油」)による天然ガス開発の流れが変わる。
── 労働党(前政権)とキンバリー土地評議会(KLC)とがまとめあげたブ ルーム北部での精製工場建設は立ち消えになり、おそらくNT(たぶんダーウィ ン近郊)での精製に計画変更になるでしょう。もともと東チモール沖合ガス田 の受け皿としてもダーウィンのほうが有力候補地ですので、KLCとNLCの綱引き はこれでほぼ決着か?
(細川にとってはKLCから変なお手伝いを要求されずにすみ、一安心ですが。)
・パース先住権訴訟(現在、控訴審、被告は連邦政府とWA州政府)で、これま で和解協議の余地のあった労働党政権のWA州政府が保守政権にかわったことに なり、見通しがやや曇る。(連邦政府は労働党政権なので、被告どうしの対立 もおこるでしょう。)
以上、とりいそぎ、ご報告まで。
登録:
投稿 (Atom)