でも、顔モザイクの話よりは、水銀の話を入れて欲しかったんだけどなぁ。。。
いくつかの領域でのニュース・コメントと身辺雑感メモです。ゼミのブログは別にあります( bb.kyoto-seika.ac.jp )。MagpieNews( newsmag.blogspot.com )なかなか復活させる時間とれません(・_・、) おもにTwitterで発信してます。
2010年7月31日
2010年7月22日
【Media/Movies/Env】公開討論会「『ザ・コーヴ』をどう観たか?」
映画『ザ・コーヴ』をどう観たか? ── 公開討論会に引っぱり出されました。
2010年7月22日(木)18:30-20:30+
場所: 京都シネマ(正確には、同ビル同階のお隣りスペース shin-bi studio)
共催: 京都シネマ
以下、簡単な記録メモです。(パネリストで御一緒した奥村信幸さんのツイート @noboku もご覧下さい。すこし違う角度からメモされています。)
予想をはるかに上まわる60名以上の方(新聞記者7〜8名ふくむ)が集まってくれた。あとから「支持する会」の関係者に聞いたところによると、五条署から公安警察も覗きに来ていたようだ。同志社・産大・龍谷・京都精華などの学生もあわせて20名ほど。年齢性別とも多様なオーディエンス。
●パネルひとりめ:奥村信幸さん(立命館大:ジャーナリスト、映像メディア論)
「善悪二元論」は分かりやすいが危険。
ドキュメンタリーで一番大切な「どうしてなのかを探る」姿勢がこの映画には欠けている。
映像トリックを多用して制作の作法を踏み外している。
注意して見ないといけないが、色々なことを考えるきっかけにはなるので見て考えて欲しい。
●パネルふたりめ:わたくし細川(京都精華大)
映画で非難されているイルカ漁のあり方は実は「太地の伝統漁」ではなく、イルカショー・ビジネスとつながった新しい商売であること、
このビジネスの膨大な利益がどこに流れているかが問題で大きな闇につながっていること
イルカ・クジラ・マグロの水銀汚染濃度はとうてい楽観できるレベルではないこと
これらのことは日本自身の問題として日本人がきちんと情報公開して議論すべきだということ
日本の伝統文化としてのイルカ・クジラ漁を守るためには国際取引(イルカ輸出)と遠洋捕鯨(南極捕鯨)をやめて沿岸資源の持続的な利用に徹する必要があること
映画自体には問題がいろいろあること(クジラ供養塔に対する理解の浅さ、水俣病事件の映像の恣意的な利用、など)
●パネル3人め:生駒 誠さん(東映助監督)
素材を並べて面白く作っているが、撮られる側はたまらないだろう。アメリカ人のもつステレオタイプ「野蛮で残酷な日本人」像が透けて見える。「血の海」もクロマをあげて(色調調整で)赤を強調している。イルカ・クジラ・マグロを強引につなげてしまっているが、映像としては感情に訴えかけて力強く、映像リテラシーのない人が見るとまずい。「こんなことでも無ければ見る機会のない映画だった。見て良かったと思う。でも下らない映画でした」とのシメの言葉が印象的。
●パネル4人め:神谷雅子さん(京都シネマ社長)
上映までに至る難しい調整の裏話あれこれ ── 太地町関係者との折衝、映画『Yasukuni』のときの右翼の動きと今回との違い、公安警察の動き、などなど。
映画はいろんな映画があるのは当たり前、機会あるごとにたくさんの映画をみて映画の世界の奥行きを感じ取ってほしい。
映画館で制作者トークや討論会をおこなう企画ももっと実現していきたい。
【※以上の発言メモは、フロアとのやりとりの中でなされた発言の要点も追加してあるので、必ずしも当日の発言順を厳密に反映していません。】
●フロアとのやりとりも活発。
若い人もわりと発言してくれる。でも「文化をどう分かってもらえるか」「映像の信憑性をどう判断するか」といったあたりに関心が集中し、Rick Oberyの問いかけそのものは受け止められていない(賛否いずれの発言も無し)。
京都水族館の問題点も少し話題になるが、深まらず。
太地町出身の若い人も2名参加。1名はまだ映画見ていないので発言控えたいとのこと、もう1名は積極的に「上映反対」の立場で発言。
── 反対の彼とは終了後もロビーでしばし意見交換。水族館やイルカショー業界にイルカを供給することの問題については認識を共有できた。また、遠洋捕鯨をやめて沿岸捕鯨を復興するという点でも一致(はやり太地の人はミンキーを獲りたいというのが本音のようだ)。
・終了後、複数の新聞記者さんと若干の情報交換。
●反省会(於:月鉾町近くの名のない路地、太郎屋)
── 今回の京都上映を「支持する会」をたちあげた津田正夫さんと筒井洋一さんも参加、いろいろ経緯のお話をうかがう。公安警察の行動パターンについての津田さんの話がたいへん勉強になった。
【★参考リンク】
2010年7月1日
【Env】 おさかな三部作
PARC の「おさかなビデオ」三部作(実際はDVDですが)、ぜひ見てね=!
※上映会+感想セッションとか討論会の企画の相談お受けします。
【1】『食べるためのマグロ 売るためのマグロ』2008(DVDカラー31分)
http://bit.ly/94BDPm
- マグロと私たちの関係を、東京・築地、清水、境港、奄美大島、メキシコ、フィリピン、中国・大連に探りました。グローバル化する「食」の構造を検証し、それが人びとの暮らしや社会、環境に与える影響について考えます。
【2】『食卓と海 ─ 水産資源を活かし、守る』2009(DVDカラー35分)
http://bit.ly/980rjf
- 水産資源管理をテーマに、主に日本の漁村を取材しました。漁業者のインタビュー満載。海辺の集落が磯を守ってきた入会慣習、それを活かした「沿岸漁業権」について解説。海のコモンズの学習ビデオとしてもおすすめです。
【3】『森と森と里と ─ つながりの中に生きる』2010(DVDカラー35分)
http://bit.ly/aQGpaB
- 森・川・海の栄養循環をテーマに、「里山」「里海」とともに生きる人びとの語りに耳を傾けました。取材地=岩泉、室根、吉野川、気仙沼、三番瀬など。生物多様性の意味を理解する学習ビデオとしてもおすすめです。
【2】と【3】は英語版もあります。途上国むけに特別廉価を設定してますので、お知り合いのNGOなどへのプレゼントに御活用ください。 → 問い合わせ:video@parc-jp.org
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