2012年6月10日

高木基金 成果発表会 2012年6月10日

高木仁三郎市民科学基金(高木基金)の2011年度助成研究の成果発表会が、2012年6月10日、東京・大崎の南部労政会館にて開催されました。約80名が参加し、15件の成果報告と質疑・討論がおこなわれました。

会場からの中継ツイートに若干加筆して、再録します。

【☆おことわり】
あくまで要所要所を書き留めたにすぎませんので、完全な記録ではありません。細川の聞き間違いや誤解あるやもしれません。発表と議論の雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。

【☆☆おねがい】
発表者の方、参加者の方、訂正・追加すべきところ、お知らせくださると助かります。どうぞよろしく。


【2012.6.13 第1報告 小泉雅弘さんからのご指摘をうけ2箇所訂正しました。】
【2012.6.19 第15報告 玉山ともよさんからのご指摘をうけ3箇所訂正しました。】



 当日は、午前中は電波の状況が悪く、昼過ぎに接続が安定してから、午前のメモと午後の中継をいれこに配信するような形になってしまいました。以下では、プログラムの進行順に掲載します。(当日のツイートと順序がちがっています。)


 なお、発表グループ名は助成決定の際のもの。グループないし組織名のあとのカッコ内の氏名は当日の発表者のお名前であって、必ずしもグループの代表者ではない。また、発表時点では所属組織が変わっている場合もあるが、ここではすべて昨年の助成決定時点での所属を記載した。



9:30すこし過ぎ、開会

代表理事=河合弘之さん、挨拶 

  • 事故によって高木仁三郎さんが再評価されているのは悲しむべきこと。高木さんは生前、「大事故が起きて皆の認識が変わる、というような結末にはなってほしくない」と言っていたが、残念なことに大事故がおきてしまった。
  • 高木久仁子さんは「苛酷事故がおきても、日本は変わらないかもしれない」とかつて仰ったことがある。私は「それはないだろう、苛酷事故がおきれば、いくら日本でも変わるでしょう」と思っていたが、今の再稼働の動きなど見ると久仁子さんの懸念が的中してしまったような気もする。しかし、あきらめず変化を求めていく。
  • 高木基金のように、助成団体でありながら運動体としての性格もあわせもっているのは稀有な例。今後とも、この独自な性格を保っていきたい。


----------------------------------------------
【第1報告】9:44-10:12
モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク(札幌事務局:小泉雅弘さん)
産業廃棄物最終処分場建設がモベツ川水系の野生サケの遡上・産卵に及ぼす影響に関する市民調査

  • 紋別も藻別もアイヌ語 mo-pet(静かに流れる川)に由来。
  • アイヌ民族の先住民族としての権利をめぐる動向 2008年、ようやく日本政府も「先住民族」として認める(国会両院決議)。しかし、政策は進んでいない。
  • アイヌ漁師、畠山敏さん(70)との出会いで、このネットワークが始まった。イルカ漁を長年やっていた。アイヌ民族生存捕鯨の復活をめざす。モベツ川河口で kamuy chep nomi (サケ迎えの儀礼)を10年ほど前から復興、実践している。
  • アイヌ民族漁業権の復活、森林保全も提言。
  • さっぽろ自由学校「遊」のESD(持続可能な開発のための教育)の取り組みの一環で畠山さんと出会う。
  • 2010年2月、紋別で地域ワークショップを開催。生態系保全とアイヌ民族の権利復活を結びつけるビジョンを共有。
  • 同じ頃、豊丘川(モベツ川の支流)上流に産廃処分場の計画、畠山さんらの反対運動にもかかわらず2010年10?月着工(操業はまだ)
  • 2010年11月、野生種と思われるサケの遡上を発見
  • 2011年3月、公害審査会への調停を申請
  • 地域住民の理解と参加の不足、科学的根拠(説得力)の不足 → 住民参加型の調査をめざす
  • 明らかにしたいこと: 野生サケの遡上・産卵の立証、野生サケが生息できる河川環境であるかどうか、産廃処分場からの排水放流が河川環境にどう影響するか
  • 調査項目: 水質調査、周辺地域の歴史・文化についての調査(文献調査+アイヌ民族からの聞き取り)
  • 現状では、水質は良好。もうひとつの支流である元丘川(旧鉱山の沈殿池からの漏水あり)では汚染確認(上流に既存の廃棄物処分場あり)やモベツ川中流(旧鉱山の沈殿池からの漏水あり)では汚染確認【←★小泉さんからのご指摘をうけ、訂正しました。】
  • サケについては捕獲調査が出来ないことから野生種であることを確定できていない。
  • 2012年3月、公害防止協定の締結。アイヌ民族の漁獲【←★誤字訂正】に一定の理解。
  • 地域住民のあいだでのアイヌ民族の文化や先住権への理解は、まだまだ乏しい。市民調査を通じて、地元の理解も続けていきたい。

(以下、質疑応答)
・藤井石根理事: 汚染がはっきり確認された場合、どう対応していくのか。予防が大切、汚染がおきてから出来ることは限られているのでは?
 ── 小泉:操業がまだ始まっていないので、いろいろな手を尽くしたい。

・大沼淳一選考委員: 科学的根拠の部分が弱すぎる。パックテストでは水質調査の勝負にならない。野生サケの見込みも薄い。紋別川に大量にカラフトマスとサケの放流をしているので、遡上してきている可能性高い。野生サケの実証は、とりあえず捕獲して、尾びれのかけらを採取して、リリースすればよい。道との話し合いで実行可能な筈。
 ── 小泉:地元の専門科学機関との連携もまだできていない。野生サケであるとの感触は得られている。

・遠藤邦夫選考委員: 重金属などの調査は20万くらいで15項目ほど出来るはず。早急に実施を。

・細川弘明理事: ビジョン(アイヌ民族への理解)と調査の達成目標とを混同しないほうがよい。野生サケとアイヌの関わりという特色・固有性を武器に一点突破することが重要。

・藤原寿和選考委員: 水質についての詳細調査は急務。リテックの親会社(同じ会社)が廃棄物処理法違反をしていることが判明し、刑事告発をかけたところ。強制捜査も始まっている。そういう会社の工場なのだから操業許可を出すな、という運動の展開も必要。


----------------------------------------------

【第2報告】10:12-10:45
(2)FoE Japan 開発と金融と環境チーム(波多江秀江さん)
ニッケル鉱山開発および製錬事業地周辺における重金属(六価クロム等)による水質汚染と現地コミュニティーの健康リスクに関する調査

  • 山の中腹でのリオツバ・ニッケル鉱山開発。大平洋金属と双日が出資(コーラルベイ・ニッケル事業)。
  • 先住民族パラワンの生活地。焼畑、ヤシ栽培(現金収入源)、漁獲。
  • 当初は、高品位鉱のみ日本に輸出、低品位鉱は利用していなかった。その後、低品位鉱も精錬することになり、新居浜(住友)へ輸出。
  • テーリングダム(鉱滓池)の上澄み液を海に放流。併設されている石炭火発の環境影響もある。
  • 先住民族が薬草採取していた丘、石灰石(中和剤として精錬所で使用)の採石場として開発・汚染された。
  • ニッケルは重要資源ということで、国際協力銀行や日本貿易保険などの支援をうけている。
  • 現地NGOからの告発(環境破壊、健康被害)をうけて、2006年から現地調査。2009年には133世帯の聞き取り調査。咳・頭痛・皮膚病などの健康変化(鉱山操業後)を確認。薬をのんでも治らなくなった。
  • 2009年7月から、原因特定のための水質調査(河川と井戸水)。採水して日本で分析。高木基金からの助成をもらう以前に、すでに4回、水質調査。日本の環境基準(六価クロム 0.05mg/L)を超えていることを確認。しかし、フィリピンの排水基準は、新設の場合 0.1mg/L、既設の場合 0.2mg/L ( → その後の調査で 0.4を超えたケースも、0.2も頻繁に超える)。
  • 日本の企業、役所との話し合いもしているが、なかなか進展しない。長期調査が必要 → 高木基金の助成で。
  • 川の底質の調査、トグポン川の上流・本流・下流の六価クロム分析(精錬所からスル海に至る水系)。
  • 六価クロムの起源は鉱山か、精錬所か? 鉱石のストックパイルからの雨水流出がひとつの可能性。鉱滓池のオーバーフロー水の排水経路からという可能性も。

(以下、質疑応答)
・藤原委員: 六価クロム以外に、健康被害の原因と考えられるものは? 日本や欧州の六価クロム汚染の事例(千葉県など)では健康影響を否定する報告が目立つ。ニッケル粉塵の健康被害については確認事例がある。

・細川理事: 開発金融の線からのチェック、JBICのほかに民間銀行のかかわりは? 銀行のSRIの基準は年々厳しくなっているので、そちらの線で歯止めをかけられないか。フィリピンは鉱山法が何度か改訂され整備されたが、守られていない。そういう事業に出資することの是非を不問に付す時代ではなくなっている。世界的に鉱山資源のピークの問題。以前は手をつけなかった低品位鉱まで開発するようになって、この事例もその典型。
 ── 波多江: 民間銀行からの出資はまだ把握できていないので、JBICとの交渉を重ねている。

・貴田晶子選考委員: 粉塵そのものが影響している可能性(咳など)。大気系の調査もしたほうがよい。
 ── 波多江:していきます。

・遠藤委員: 住民の飲料水は?
 ── 波多江:トブコン川・ツバ川の沿岸漁民(先住民族とムスリム)が多い。魚は減っている。昔は井戸水を飲んでいたが、いまは鉱山会社が2週間に1回 delivery water。その水から六価クロムが検出されたこともあった!

・大沼委員: このケースは普遍的な問題につながっている。各地のニッケル鉱山(住友系など)をみると、ラテライト鉱を掘ると六価クロムが出ることは確実。マングローブ海域への赤ヘドロ(鉄・ニッケル・クロム)の沈積は、世界的問題として認識すべき。


----------------------------------------------
【第3報告】10:45-11:16
カネミ油症被害者支援センター(共同代表:石澤春美さん)
厚生労働省実施『油症患者に係る健康実態調査』検証報告書の作成

  • 高木基金からは4回にわたり助成を受けている。感謝。
  • ダイオキシン被害としてのカネミ油症被害、国の救済がおこなわれていない。大きな被害があるのに埋もれている。カネミ倉庫からの賠償も裁判では認められたが、実際には支払困難ということで払われていない。
  • 被害者は離島など僻地の貧困地域。「安くて健康によい油」として普及、家族被害が多い。
  • クロロアクネ(塩素にきび)など初期症状は、厚生省調査では「治癒している」とされているが、内臓・骨・関節への影響などは続いている。日常生活にも困難。
  • 国からの仮払い金を返済しなければならない状況で、被害者は苦しんでいる。自殺者も続発。返済免除を求める運動をした。2007年6月、免除が認められた。しかし、これが唯一の救済。
  • ダイオキシン類の経口摂取という特殊性をふまえて、厚労省による油症認定患者1420名への悉皆調査が2007年におこなわれた。症状の全貌を把握する重要な調査になると思われたので、患者たちにも協力をよびかけた。厚労省のPTにさまざまな提案(被害者から、センターから)、とくに「自由記入欄」を多くすること、「家族構成」を尋ねること、など。羅列された症状にマルをつける方式では把握しきれない被害がある。
  • 同じ家族のなかで、認定/未認定が分かれている。未認定のほうが症状重篤であるケースもある。
  • 厚労省調査でわかったこと: 日常生活動作の困難71.4%、慢性的な倦怠感・しびれ・目眩・痛みなどを訴える人が70%、カネミ倉庫から認定患者が医療費を
  • しかし、自由記入欄は集計されていない。
  • 次世代被害(油を食べていない子ども・孫に出ている症状)と女性被害についての結果が、伏せられている。
  • 被害者199名から回答書のコピーをえて、検証報告を作成した。厚労省のデータの永久保存を求める。

(以下、質疑応答)
・遠藤委員: 国のデータは、特別な指定がないと廃棄されてしまう。水俣病の資料なんか沢山廃棄されてしまった。早急に指定させないと。
 ── 石澤: 急ぎ申し入れします。

河合理事: 賠償裁判で勝っても、被害者が救済されず被害が続くということがある。カネミ油症は残念ながら、そういうケース。「謝れ、償え、無くせ公害」という標語にあるように、制度的なところまで変えていかないといけない。
 ── 石澤: 被害者はダイオキシンの被害だということすら理解していないことが多い。議員なども事件自体を知らない。結婚差別などをおそれて、被害者が黙るケースもある。二世・三世については再度、訴えをおこすことも考えている。

藤原委員: 症状が悪化しつつあるという現状。国の被害が問われていない(被害者が長期化をおそれて取り下げた)。水俣の場合は法制化されたので、未認定に対する不服申立てができるが、油症の場合は根拠法が無いため申立てすらできない。未認定患者は裁判の準備をしているが、法的環境としては厳しい。社会の注目をぜひ!

石澤: 油症事件は棄民そのもの。こんなことが日本で進行しているということを伝えていく。聞き取り調査の結果を国会に持って行って、少しは反応があった。続けていく。


----------------------------------------------
【第4報告】11:16-11:47
六ヶ所再処理工場砲手放射能測定グループ(原子力資料情報室:澤井正子さん)
六ヶ所再処理工場からの放射能放出に関する調査研究

  • 高木基金から継続支援してきた案件
  • 六ヶ所工場自体は「自滅」しつつある現状、延期が続く「稼働開始」 ウラン分離、プルトニウム分離は試験終了したが、ガラス固化体製造のところで事故が続き、試験が止まっている。低レベルの気体・液体廃棄物は発生している。使用済み燃料の冷却もずっと続けないといけない。
  • 東通原発が稼働しているので、六ヶ所と東通の両方を測定。トリチウムの放流は確認したが、環境放射能レベルとしての有意な上昇は認められなかった。
  • 2011年度のデータでは福島事故由来のCs-134(核実験では生成されない同位体)の有意な増加。福島から350キロ。Cs-137も急激に上昇(2年芽松葉で20〜30Bq/kg台、1年芽松葉でも3〜4Bq/kg台)。
  • 海岸の砂と松葉を毎年測定、セシウム、カリウム、炭素を測っている。松葉では福島事故で明らかな変化があったが、海砂についてはウラン系列・トリウム系列・Cs-137とも大きな変動みられず。再処理工場がもし稼働しても、海砂調査では把握できない恐れ。

(以下、質疑応答)
・澤井: 青森は3月よりも4月に汚染されたという感触をえているが、これは今後検証が必要。福島放流の汚染水が拡散してきたものと、空中のプルームが海に降下したものと、両方の効果がある。

・大沼委員: 松葉の数字のばらつき、ちょっと大きすぎる。福島からの距離を考えると、サンプリングの問題(1年芽と2年芽の確実な区別、試料採取の際の汚染、など)もあるかも。海砂のK-40は石に入っている。Csは土につくので、海砂であまり検出されないのは最初から分かっていたのでは?
 ── 澤井: 海水のほうが溶出しやすいという面もあったので、検証したかった。今後は採取の手法など、見直す。

・大沼委員: ゲルマ(ニウム半導体検出器)でないとダメというわけではない。数ベクレルのオーダーで、Csに特化すればNaI(シンチレーター)でもとれる。ゲルマで標準資料を確保しておいて較正すればよい。

・細川理事: 国立大や国立研究機関でゲルマを使わせてくれる研究者がみな定年に近づいているという問題は、実は深刻。今後の対応にむけて、協力してくれる機関・研究者(より若い世代の)を確保する必要。


----------------------------------------------
【第5報告】11:47-12:20
海岸生物環境研究会(山下博由さん)
原子力発電所周辺における海岸生物相の研究

  • 塩素処理、温度処理により、幼生の死滅。
  • 国・都道府県・電力会社がやっている海の調査の内容 eg.佐賀県水産課(底生生物の調査) しかし、生データが公開されているものは少ない。ウェブで公開されている情報は不十分、実感しにくい内容、種の同定が不十分、など問題多い。
  • 「原発の海」の実態を端的に知る調査を試みた。定性調査(生物種の特定)と定量調査(25cm x 25cm のコドラードで9試料ずつ各地で採取)。藻場の状態にも留意。「一目でわかる写真」の記録に努める(生物多様性の状態がぱっとわかるもの)
  • 環境指標種の絞り込みを検討、市民調査で使いやすいものであることにも配慮。市民が実感できる情報が大切。
  • 玄海原発 ── 放水口860m南地点の池崎低潮位と高潮位とで調べ、26箇所調査。貝類だけでも50spp以上あった。希少種も確認。同4キロ地点の福浦でも調査。
  • 伊方原発 ── 放水口700m東地点・亀浦で調査。ヒメアワモチ(環境のいいところにしかいないsp)いた。クロピンノなどの希少種も確認。
  • 温排水等による海岸生物相への明瞭な影響は確認できず。イボニシ、イソニナなどの新腹足類の減少の可能性はある。地形・波浪・塩分・栄養などの要因があるので、原発の影響を特定しにくい。
  • 「生物多様性の減少」を検証することは可能か? 以前の状態のデータがない場合がほとんど。写真によるコドラード調査の可能性。はがすと時間かかるので、写真で多くのデータを集める。第三者の評価もしやすい。条件をつけることでデータのとり方が様々に調整できる。市民調査に適した方法ではないか。

(以下、質疑応答)
藤井理事: 要するに何がわかったのか?
 ── 山下: 塩素の影響は限定的。

鈴木雅子さん: ウミ草などの放射能測定は?
 ── 山下: していない。

遠藤委員: 写真調査では貝の把握しかできないのでは? もっと「弱々しいもの」(ねばねばしたようなやつとか)のほうが環境影響うけやすいのでは?
 ── 山下: 微小生物の状態が重要であることは、ご指摘通り。肉食性貝類の状態をみることで、エサである微小生物の状態も推測できると考えている。

フロア男性(ごめんなさい、お名前を聞き漏らしました): 福島原発から大量に化学物質も放流されている。事故炉でない場合、化学物質の放流の管理はどうなっているのか?
 ── 澤井正子さん: 発電所は公害防止協定を結んでいるので、化学物質も管理されている。しかし、ウェブサイトなどで公開しているのは放射能のことが中心。

大沼委員: 温排水の拡散比をふまえてサンプリング場所を決めないとだめでは? 生物多様性を種類数だけで見て行くのは限度がある。環境変化に強い指標種に注目する手法(eg.放射能の蓄積をはかる)も考えては。

フロア女性(ごめんなさい、お名前を聞き漏らしました): 温排水で養殖をやっているところでの調査もしてほしい。

----------------------------------------------
15分遅れで午前の部、終了。昼食休憩。12:20-13:10

----------------------------------------------
午後の部、再開。
【第6報告】13:10-13:33
チェルノブイリ救援・中部(河田昌東さん)
チェルノブイリ原発事故被災地におけるバイオエネルギー生産と農業復興の試み

  • この調査は福島事故以前に始まったもの。福島事故の発生により、チェルノブイリの農地での成果を日本に生かすという喫緊の課題も生じた。
  • ウクライナ、ジトミール州(北部が汚染地域)ナロジチ地区での試みを報告。
  • 支援の当初は、医療面での支援。病院などで治療効果は出てきた。しかし、良くなって帰宅するとまた悪くなってしまう。村でとれる飲食物の放射能のせい。
  • 医療援助は継続しつつ、汚染土壌の浄化と農業復興を視野にすえた支援に。菜の花プロジェクトなど。
  • 2007年から新しいプロジェクト。バイオレメディエーション(bioremediation: 植物によるセシウム、ストロンチウムの吸収、土壌浄化)、ナタネによる土壌浄化とバイオディーゼル利用。
  • ナロジチは農業畜産が中心で、飯舘村と似た面はあるが、汚染濃度は飯舘村のほうが桁違いに高い。
  • セシウムは20cm、ストロンチウムは40cmまで沈んでいる。ナタネ油の放射能を測ると、油には放射能が
  • ナタネ植物体のセシウム分布、種子に多い。根にはあまり残らない。ストロンチウムは茎に多い。
  • 5年間の実験の結論として、ナタネによる短期間の土壌法かは不可能。年間3〜5%の減少率。
  • しかし、新たな発見として、ナタネ栽培の裏作(ライ麦、小麦、大麦、蕎麦)は汚染がきわめて少ない。食料、家畜飼料として利用可能。ナタネ、移行係数の低い作物、それ以外の作物という順序に輪作し、またナタネに戻すというサイクルで農業復興が可能。
  • バイオエネルギー農業として、バイオガスの生産。セシウムはバイオガスの排水に移行、活性炭とゼオライトなどで吸着できた。廃水中の無機イオンが残る問題。希釈槽などで対応、現在データ収集中。
  • 2011年6月、落雷で管理棟焼失!というハプニングもあって、びっくりした。

(以下、質疑応答)
藤井委員: 植物による除染は無理という結論か?
 ── 河田: バイオレメディエーションの効果があったという論文はたくさんある のだが、すべてポット試験。実際の汚染地で実験したのは私たちが最初。植物では浄化まではやはり無理だ、というのが私たちの結論。しかし、輪作技法などで対応する余地のあることが分かったのは成果。

フロア男性: ヒマワリはどうか?
 ── 河田: ヒマワリでの吸収はできない。ヒマワリの水耕栽培で効果をあげた実験例があるのみ。水耕だから、当然の結果。それが過大評価された(福島で過大な期待をもって伝えられた)のは不幸。

(ゼオライトについての質問)
 ── 河田: 吸着剤としてのゼオライトは長く使えるのが利点。

貴田委員: 土壌中の水溶性セシウムの定量的な評価は?
 ── 河田: 事故からの時間で違ってくるので、チェルノブイリと福島で単純な比較はできない。土壌中の水溶性セシウムで吸収できるのは数%レベルに過ぎない。1年間1センチの浸透。珪酸分の多い粘土質土壌に強く吸着している。

細川理事: 福島でのストロンチウムの評価は?
 ── 河田: チェルノブイリの60分の1くらい。なので測定が難しいのは確か。チェルノブイリではストロンチウムによる健康被害が多かったが、福島ではそれほどの影響は出ないと見てよいのでは?


----------------------------------------------
【第7報告】13:33-13:58
長島の自然を守る会(高島美登里さん)
上関原発予定地周辺の生物多様性の解明と普及活動

  • 福島事故を受けて、上関の状況も大きく変わった。埋立工事中断。県内市町村から中止や凍結を求める決議が続々。
  • 上関町「地域ビジョン検討会」はじまった。しかし、町長選では反対派が勝てず。
  • 2011年度の調査実績、大きく3つ。オオミズナギドリの採餌領域の解明、宇和島のカラスバトの繁殖確認、カンムリウミスズメの繁殖可能性のあらたな確認
  • オオミズナギドリ(山口県では絶滅危惧種)宇和島で毎年繁殖。親鳥にGPSしょわせて追跡。ヒナの生態、おもしろい。生まれたから3ヶ月は穴のなかで過ごす。親鳥の1.5倍まで太る! 穴から出られなくなる。2ヶ月は親鳥がせっせとエサをはこぶ。残り1ヶ月は断食、親鳥はニューギニアに行ってします。ヒナは痩せてから穴を出る。
  • 宇和島のオオミズナギドリの採餌域は極端にせまい。長距離・長時間の採餌旅行をしない。逆に、瀬戸内海の西部海域は良質なエサ場である、ということ。(ほかの海域は資源が乏しいということか?)
  • 繁殖成功率も低い。ネズミなど捕食者もあるらしい。地域個体群の絶滅のリスクは高い。原発の影響も懸念される。
  • 次に、カラスバト(国の天然記念物、IUCNの準絶滅危惧種)。宇和島では初確認。
  • カンムリウミスズミ、中国電力は月1回の確認しかせず、観測データの精度が低い。「確認せず」と中電が報じた月でも市民調査では確認されている。国際シンポジウムを開催。太平洋海鳥G.P.(研究者グループ)と日本海鳥G.P.が原発工事中止の要請。
  • 上関での魚類調査(愛媛大学)グループと海鳥調査グループで連携調査をこれから進める。
  • 原発の埋立工事に使われる予定だった船、埋立中断でういていたのを私たちが買って、観測船にした。船の役割が180度運命転換!
  • 原発に頼らない町づくりの一環として、「おまかせパック」(新鮮なおさかな)産直提供。
  • ユネスコの「生命圏リザーブ」(Biosphere Reserve)や世界遺産への登録をめざしたい。

(以下、質疑応答)
青木将幸選考委員: 山口知事選挙に飯田哲也さんが立候補したというニュースが今とびこんできたが、どう評価しますか?
 ── 高島: 地元運動体としては知らなかった動きなので、よく分からない。脱原発という方向性は共有できるが。

高島: 漁師さんにプライドを取り戻してもらうということが大事。「おまかせパック」はその起爆剤に。

遠藤委員: 県がカンムリウミスズメなどのアセス調査をするということで、工事が延びている。その後、どうなった?
 ── 高島: 上関で調べた小さな貝が、環境省の改訂版レッドデータに載る可能性ある。そうなると、またアセスのやり直しで、また工事は延びる。


----------------------------------------------
【第8報告】13:58-14:25
ピープルズプラン研究所(山口響さん)
在沖米海兵隊グアム移転がグアムと北マリアナ諸島に与える影響の研究

  • グアム移転計画の進捗状況、環境アセスの最終案ができたところ(2011年7月)、2011年12月、米議会がグアム移転予算(2012会計年度分)を全額削除。2012年4月、日米両政府が再編見直し案を発表。移転規模縮小(5000人)。北マリアナ諸島に米日協働の訓練施設。日本の費用負担のうち、JBIC融資32.9億ドルを撤回。要するに日本が出す予定だった半額をキャンセル。これは相当大きい変化だが、日本のメディアは報道していない。
  • 今後、環境アセスをやりなおす可能性あり。規模縮小にともない、施設の配置も変わったので。最短でも8年かかる。
  • 計画が遅れていること自体がもたらす問題もある。地元社会にもたらす影響。遅れの要因は、計画そのものの杜撰さと現地社会の抵抗の2つ。
  • グアムだけでなく、北マリアナ諸島(サイパン、テニアン、ロタ島など;米国自治領)への影響も調べていく必要が出てきた。今回はテニアンに注目、インタビュー調査。
  • テニアン島の3分の2は米軍の土地。北3分の1は米軍占用地、中3分の1は遊休地、リースバック(米軍の所有地を島民に使わせる状態)、住民3千人が住んでいるのは南3分の1。
  • 移転も環境アセスも「やるやる」といって実際にはやっていない。誰の得にもならない。空手形に翻弄される地元業者。グアムでもテニアンでも同様の状況。
  • テニアン市長へのインタビュー。米軍が利用するというので、ずっと待っている状態。使わないのなら返してほしい。やや、あきらめムードだった。米軍増強に期待しつつ、「結局なにもおこらないのでは?」との疑念をぬぐえず。島の土地利用のマスタープランが描けない状況。
  • 賛成派も反対派もどちらも利益をえられないまま時間ばかりが過ぎている状態。米日政府とも、計画自体の中止という選択肢を論じない。

(以下、質疑応答)
問: 米国政府から基地交付金のようなものはあるのか。
 ── 山口: 貧しい自治体への交付金という形ではある。
問: 日本のおカネは何に使われている。
 ── 山口: 消防署をつくったり、いろいろな庁舎を建てたり。
問: グアム政府の権限は?
 ── 山口: 法的な拒否権はない。

鈴木雅子さん:「誰をも利していない」というが、計画が延びていることで、遊休地の生態系が回復している、ということはないか?
 ── 山口: グアムとテニアンで事情が違う。グアムはすでに米軍の大きなプレゼンス、テニアンの場合はもともと遊休地が多い。グアムについては、遅れによる自然回復というのはあるかもしれない。テニアンではそういうことはないだろう。

東条さん: 海兵隊はどこへ行こうが、軍隊ですので反対です。その意味では、沖縄の基地を県外国内移設というのも賛成できない。この点をはっきりさせてグアムやテニアンのことを考えないと、隘路に迷い込むのでは? テニアン島は日本兵が大勢餓死しているし、原爆搭載機が飛び立った島だし、そういうところに日本のおカネで米海兵隊が行くという話は、戦中派としては、戦慄を覚える。

事務局(菅波):今後どのように取り組んでいきますか?
 ── 山口: 核の問題をあらためて見直していきたい。


----------------------------------------------
【第9報告】14:25-14:55
彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば(加藤晶子さん)
彩の国資源循環工場による環境汚染調査

  • 産業廃棄物の中間処理施設。「リサイクル施設」という美名で語られる。2006年から稼働。
  • VOC(揮発性有機化合物)の測定調査。測定(大気補足)の様子を写真で紹介。グラフをつくるのが大変!夏冬それぞれ、昼と夜のパターンの違いをとらえたかった。
  • 自動車排ガスや家庭暖房用プロパンガスなど、測定ノイズもあって苦労した。
  • 廃プラスチックの中間処理、キシレン、フェノールなどのピークが出てくるところが、通常の大気汚染と異なるパターン。
  • 冬場で特徴的なパターンが出た測定地点(北東)もある。杉並のプラスチック処理施設と似たパターンが出てくる。
  • 夏場は北東の風、冬場は北西の風、なので冬に汚染ピークが目立つかと思ったら、夏場のほうがはっきり出る傾向もある。予想とちがって戸惑っている。
  • 悪臭を訴えていた方のお宅(南西)での測定結果。年中を通して、昼も夜も汚染物質ピークがはっきり読み取れた。冬の夕方・夜がとくにひどかった。
  • 異なるパターンごとに比較しないと分からない。似たパターンについて、季節と時間帯と位置を考慮。
  • 地元(三ヶ山周辺)での市民向け報告会の様子。

(以下、質疑応答)
藤井理事: グラフの読み方をもう少し説明して。
 ── 加藤: 横軸はリテンション時間(物質を染みこませていく)。津谷裕子アドバイザー:細い管を通りぬけていく所要時間で物質を識別するという、クロマトグラフの方法。

大沼委員: 測定時の風向きは? それをいれないと物語にならない。
 ── 加藤: 記録してない。季節ごとの顕著な風向との対応が出なかったので、困った。
 ── 津谷裕子アドバイザー:地表の風向きは頻繁に変わる、上空の風向とも違う、不動層もある。リサイクルセンターから出てくる化学物質は重いので、滞留しやすい。気温との関係のほうが大きい。夏場は発生量も多くなる。その影響もあるだろう。化学物質の動きはとても複雑。
 ── 加藤: 複雑ながらも分かってきたのは、「悪臭」と工場由来の物質とが相関しているということ。

大沼委員: 風向もふくめて、住民自身が測るという姿勢は大切。四日市公害などでも手作り吹き流しで取り組んだ。住民の参加意識が育つ。首都圏で発生した大量のごみが田舎に持ち込まれる、おカネが一緒に動いて、住民が黙り込む、という構図。市川あたりの放射能汚染焼却灰が彩の国に持ち込まれている、という現状もある。
 ── 加藤: 埼玉県は全国でもっとも産廃を受け入れている。東京のごみが多い。中間処理ということで、そのあとの灰は東北に運ばれている。まさに南北問題。

水野玲子さん: 健康被害の状況は?
 ── 加藤:過敏症のような症状、お孫さんのアレルギーなども。

藤原委員: 地形が複雑なところなので、標高も考慮して3次元で見て行く必要がある。 ── 加藤: 工場は高いところ(三ヶ山)、住宅は低いところにある。


----------------------------------------------
【第10報告】14:55-15:45
化学物質による大気汚染から健康を守る会・VOC研(津谷裕子さん)
合成樹脂系VOCの健康影響実態調査

  • 5年間続けて助成をいただいた。そのまとめを報告します。
  • 通常の自動車排ガスによる大気汚染のクロマトグラフ。ベンゼン、トルエンのピークがあって、そのあとはなだらか、とうのが通常のパターン。
  • それ以外の異様なパターンが観測される事例。団地での壁面防水工事、プラごみ中継施設周辺(杉並)、室内空気の汚染(近隣工事の前後)、パソコンと高周波電圧健康器具、樹脂利用製品からの揮発。
  • 杉間伐材(壁面材)による室内空気改善、クロマトグラフのピークの解消が確認できる。
  • 農薬(除草剤?)散布の前後の変化も明瞭にとらえられた。
  • 化学物質過敏症(CS)患者の脈拍と環境大気(屋外/室内)に応じた変動もはっきり捉えられた。
  • イソシアネート(集成材、断熱材、接着剤などなど、多用途)、症状は、目・気道・皮膚・呼吸器・中枢神経にさまざまに出る。
  • 従来の公害とちがって、VOCについては私たちが加害者になることもある。あなたが注文した工事で近所の人が塗炭の苦しみを味わうことがある。
  • わかっていない物質がたくさんある。「先生」などという態度ではなく、一から知る態度が必要。

(以下、質疑応答)
水野玲子さん: イソシアネートは、馴染みのない名前だが、広範に使用されており、今後、第二第三のアスベストのような事態になる恐れあるので、注目してほしい。

津谷: 経産省のリスク評価委員会では、イソシアネートは「環境から検出されない」として評価対象からも外してしまっている。ガスクロマトグラフのピークとしては出てこない(炭素数12までの炭化水素しか検出できない)。検出方法はあるが、一般的な方法で簡便にはできない。米国では、試薬を濾紙に染みこませておいて変色を見る方法など、イソシアネートに特化した簡易法がいくつか開発されている。ただ、試薬の寿命が短い(2週間くらい)なので、輸入しても使える期間が制約される。日本で作るしかない。

フロア男性(環境カウンセラー): イソシアネートは20年前から使われている。毒性は非常に強いが、生活と密着して多用されている。工場ではかなり厳格に管理されている。環境中には出ない(出ても反応して消えてしまう)という想定がされている。簡易測定はかなり困難。
 ── 津谷: 外国での基準値(限界発症濃度)を見ると、pptの桁。米国の国立研究所が測定法(液体クロマトグラフ)を推奨しているし、いくつかの簡易測定法も確立されている。医学研究では、相当低濃度での発症について分析した論文も出ている。非常に大きな差があり、歯がゆい。日本のお医者さんは、まったく知らない。

----------------------------------------------
15:30-15:45 休憩

----------------------------------------------
【第11報告】14:45-16:09
北限のジュゴンを見守る会(鈴木雅子さん)
草の根市民による沖縄のジュゴンの保護活動の構築

  • ジュゴン(世界に5万頭以下)、ほとんどは南方の水域、沖縄が北限。孤立した個体群。天然記念物、絶滅危惧種IA類(県、環境省ともに)。個体数3〜10?。辺野古アセスでは「最小個体数3」
  • 「絶滅の恐れのある野生動物の保存に関する法律」(環境省)の指定をいまだに受けていない! 要請を繰り返しているが、基地問題がネックになっていることは明らか。環境省の及び腰。
  • 西海域(古宇利島周辺)と東海域(金武湾)とで確認、東西海域を行き来している? 辺野古水域でも食み跡あり。これらの水域を一体的に保護する必要。
  • 沖縄のジュゴンを脅かす4つの問題 ── 混獲、海草藻場の減少、生息地への基地移転、不発弾処理(海中爆破)
  • 沖縄のビーチはほとんど「整形美人」。生物のいない人口ビーチ。
  • ジュゴンの調査でジュゴンにストレスを与えてはいけない。もっとも圧力の低い方法として、食み跡のモニタリングを採用。マンタ法とライントランセクト法を組み合わせる。10m毎のコドラート。食み跡の本数、海草の種類などを見る。 → 手引きシートを作成した。
  • 底質の特徴、ジュゴンは根ごと食むので、柔らかい底質の水域が好まれる。台風などあっても、エサ場は安定している。2年間の調査でも、食み跡の分布傾向に大きな変化なし。
  • 2年間で、ライン総延長20キロ近くを調査。密集域51箇所(2010)、31箇所(2011)。のべ232名が調査に参加。
  • 沖縄では、ジュゴンとウミガメが一緒に泳いでいることが多い。同じエサを食べる。
  • 防災護岸工事も予定されており、なんとか交渉して止めている状況。米国での裁判、研究者からのさまざまな指摘、要請。
  • なぜ辺野古にジュゴンがくるか、地下湧水との関係も注目されている。湧水を断ち切らない形での護岸工事の代替案を出して、交渉中。
  • いまの状況では、いくら頑張っても、沖縄個体群は絶滅する。しかし、環境を保存・復元できれば、他の水域のジュゴンが来て住むこともできる。
  • 実は、今日、沖縄県議選。いま野党多数。与党多数になったら辺野古についての知事の態度は変わるだろう。辺野古で基地反対に尽力してきた玉城よしかず候補(現職)が当選できるかどうか、野党の対立候補が3名も出ているので厳しい状況。【6/11追記: 玉城議員☆当選。】


----------------------------------------------
【第12報告】16:09-16:39
諫早湾アオコ研究チーム(梅原亮さん)
諫早湾干拓調整池におけるアオコの大発生とアオコ毒の堆積物および水生生物への蓄積と健康リスク

  • 調整池の富栄養化でアオコが発生、とくに有毒の種類、強い肝臓毒性。海外では死亡事例も(ブラジル、カナダ)。日本では人間の被害は確認されていないが、水鳥の大量死事例あり。
  • 調整池(閉めきり堤防の内側、ほぼ淡水)、定期的に排水。調整池のなかで有毒アオコが増殖中。年間4億トン排水、諫早湾にもアオコ流出。調整池内のボラや堤防近くのマガキに、ミクロシスチン(アオコ毒)の濃縮。
  • 水、泥、ベントス(底生生物)を採取し、調査。
  • 水中のミクロシスチン濃度。アオコの発生量と対応して水中濃度も高まっていること確認。堆積物(泥)でも同様。梅雨には雨と日照減少でアオコ減る、ミクロシスチン濃度も下がる。
  • 調整池からの排水の動画再生、塩分の薄い水が湾の表層をすべるように広がっていき、沈降する。排水の影響は諫早湾全体に及ぶ。ミクロシスチンも(調整池の10分の1くらいのレベルで)確認。冬は底泥内のミクロシスチンが再懸濁されて、排水されるので、夏冬通じて、諫早湾に毒素が流出している。
  • 堆積物のミクロシスチンの水平分布、予想外に広がっていた。湾外の有明海でも確認。排水のときに一気に広がる。ベントスはつねに毒素にふれる形。
  • 堆積物内での濃度とベントス生体内での濃度とが対応しているとデータからは読み取れる。肉食性ガザミ( → 蟹味噌)からもミクロシスチン検出。安全とは言えない。
  • 年間を通じて毒素が流出していることが判明。マガキについては、いまはまだ低い濃度だが、経口摂取は控えたほうがよいだろう。継続したモニタリングが必要。

(以下、質疑応答)
遠藤委員: 小潮のときに排水、有明海の左回りの海流、などを考えると、有明海の南の方に毒素がたまる。北のほうを重点的に調査していたように見えたが?
 ── 梅原: たしかに南に溜まると考えられる。調査地点は、大学の別の調査の船に便乗している都合で、北のポイントが多い。

藤井理事: ミクロシスチンは分解しないのか?
 ── 梅原: 分解菌はある。

問: ボラを食べる上位種は? 東京湾ではスズキがボラを食べるが?
 ── 梅原: 諫早のボラは70cmくらいあって、巨大なので、たぶんこれを食べる魚はいない。スナメリがもしかしたら。しかし、やはり人間。

山下博由さん: 地元の食生活を考えると、かなり衝撃的なデータである。どうやって発表していくか。漁業者への配慮も。
 ── 梅原:漁師からは「俺たちが傷をうけないことには、何も始まらない」として、データの公表は了解してもらっている。

菅波: アオコは開門すればすぐに解決する問題。調整池の淡水を農業用水にしていることがネック。裁判では開門命令がでた(今年12月までに)が、開門反対派は頑なで膠着している。漁業者は、マガキのミクロシスチン濃縮の実態もみずから開示して、開門を求めている。
 ── 大沼委員: もし開門しないのであれば、長崎県はミクロシスチンの濃度チェックをする義務がある。
 ── 菅波: 長崎県は「開門絶対反対」の立場を崩していない。


----------------------------------------------
【第13報告】16:39-17:12
山下正寿さん
ビキニ水爆実験被災船員の実態調査と事件の実相解明


  • ビキニ被災した漁船、全体の3分の2弱が高知県の船だった。
  • ひとつの船の乗組員の健康状態(聞き取り)調べるのに、だいたい3ヶ月かかる。各地に四散しているので。新聞記者が協力してくれて、なんとか追跡できた。現在の健康状態を探った。
  • この調査中に福島第1原発事故がおきた。漁村地域のがれき処理の関係者のことが心配だった。放射能のこと知らない知らされないうちに被曝する(つまり、ビキニ事件と同じことが起きるのではないか)と心配。
  • 昨年6月、茨城県大洗を訪問、まず漁協の専務理事を歴訪。驚いたのは、みな「何とかなるだろう」「何とかして欲しい」という発想。とにかく放射能についての情報が現地に入ってなかった。ビキニ事件のことは皆、知っていたが、福島事故とつなげてはとらえていなかった。
  • 福島の汚染水の放出、漁協の了解など取り付けていない。漁民はみな、海底の汚染を実感してる。とくにウニが駄目。獲ってない。
  • ビキニ事件では内臓から汚染されたので、茨城特産のアンコウなんかでも「肝が危ないですよ」と伝えると、「肝を食わなきゃアンコウじゃない」という返事。
  • 10月には相馬に行った。ここも情報、全然はいってない。「あんたが漁業調査に来た初めての人だ」と言われた。底曳きやってるから、瓦礫がどこにどう溜まるかは分かる。潮の流れで。
  • 漁に出られず、待たされているのが一番辛い。沿岸漁はしばらく駄目なので、高知などに来て、カツオ漁の研修を受けてはどうか、と提案した。後日、50人の若い漁民が遠洋漁業の研修に高知にきたので、嬉しかった。
  • 放射能は海水で薄まる、と水産庁は言う。ビキニでは薄まらなかった。海水温の差があると混ざらない。塊のまま移動する。高知の足摺岬の近くまで放射能水塊が流れてきた。福島沖は親潮あって、渦になって拡散する。そこはビキニの場合と違う。
  • (配布の図版)ビキニ、キャッスル作戦の降灰分布と汚染濃度分布。第5福竜丸のほか日本船16隻が船体汚染された。第5福竜丸では3〜5Svの被曝だったと推定。
  • 健康状態を調べると、甲板員の死亡率が高い。中にいた機関員は生存率が高い。ガンも多いが、脳腫瘍が目立つ。血管破裂による突然死も多い。今、診察データの分析を医師に依頼しているところ。

(以下、質疑応答)
細川理事: 乗組員が四散しているのはなぜ?
 ── 山下: マグロ船は船頭が若いのを確保して、組で乗り組んだが、腕の良い船員は引き抜き合いがあったので、あちこちの船に乗った。室戸船籍の場合、7〜8割は室戸の漁民だったが、残りは全国各地から。三浦岬も、船籍は高知でも全国から乗組員を調達していた。

山下: 第5福竜丸よりも長く現場水域に留まった船では、第5福竜丸よりはるかに死亡率が高い。生存者がいない船もある。久保山愛吉よりも先に死んだ19歳もいる。海水を浴びたり、海に入ったりしていた。

山口響さん: 米国の公文書で分かったことは?
 ── 山下:ブラボー実験で米国本土・西海岸も被曝した。日本の5倍。予測に反して東に流れたことが記録されていた。核実験は、観測網をはりめぐらせたうえで実施したので、放射能がどう流れたかは全部記録がある。

貴田委員: 乗組員の曝露量は分かっているのか?
 ── 山下: マグロは測った(100カウントこえたら廃棄)、人間は測っていない。船を測るついでに測ったこともあって、500カウントを超えた例も記録されている。4隻ほど測って、乗組員が病院送りにされ、こっそり検査していた。乗組員が抗議して、露見。その後、ほかの乗組員の検査はされなかった。政府は「第5福竜丸だけの被災」にしたかったのだろう。厚生省は乗組員の検診をすべきだったのに、していない。第5福竜丸の乗組員には「見舞金」を渡して、ほかの船から妬ませ、孤立させた。声をあげにくくした。今後福島への対応のあり方が同じようになるのではと危惧する。


----------------------------------------------
【第14報告】17:12-17:47
野崎壱子さん
米国の工業的畜産と多国籍アグリビジネス支配に対抗する市民運動(サステナブルフードムーブメント)の成果とその手法


  • 工業的畜産の問題にとりくむ米国のリーダーのもとで研修。Small Planet Institute (SPI)昨秋、1ヶ月滞在。
  • 工業的畜産とは、大量の家畜を身動きできないほどの密飼い・密閉飼いする。病気になりやすいので、抗生物質やワクチンを問うよする。短時間で太らせるため、穀物飼料を大量に与える。世界では牛・鶏・卵の約7割、豚の5割が工業的畜産による。日本では比率はもっと高い。正確な統計は無いが、ほとんど9割に及ぶ。
  • 工業的畜産の問題点は多岐にわたる。GM飼料によるアレルギー、抗生物質多用による耐性菌の発生、抗生物質の効かない新感染症の発生。飼料として穀物を大量に消費sするため、人間の飢餓の拡大(食料不足)。糞尿による土壌汚染、悪臭、メタンガスによる地球温暖化。動物福祉からも問題。低賃金・長時間労働という労働者福祉の問題もある。
  • 工業的畜産で特に問題とされているのは、化学物質の大量使用。抗生物質、遺伝子組み換え飼料、ホルモン剤などの多用。子牛枠、豚の妊娠枠、鶏のバタリーケージなど。日本では成長ホルモン剤は禁止されているが、分娩調整や発情させる目的でホルモン剤を使用することは認められている。
  • 米国で2000年頃からサステナブルフード運動が顕著。BSE問題の影響と、9.11事件の影響。後者は「食料テロ」への意識をうみ、食の安全を見直す機運が高まった。
  • 研修先のSPIの代表をつとめる母娘、フランシスとアンナの著書、Diet for a Small Planet(フランシス1971)、Diet for a Hot Planet(アンナ2010)。2012年にはNation誌とSPIが共同で「What next for the Global Food Movement」という特集を編んだ。サステナブルフード運動の10年間の成果から今後の展望を論じたもの。
  • サステナブル運動の成果として、学校食堂や給食でのジャンクフード禁止。子どもの肥満や生活習慣病が問題かしたので、工業的食料生産が批判されるように。
  • O-157汚染、とりわけハンバーガーの挽肉パテが問題となり、持続可能な畜産による肉への支持が高まった。
  • 2000年代後半、米国の食の意識・習慣に大きな変化。ファーマーズマーケットへの支持、CSAの拡がり、自然食チェーンの成功など。フランシスは(ヴァンダナ・シヴァとのシンポジウムにおいて)「食品に重点をおいた強力な社会運動が起きた」と総括、「次のステップへ進むときが来た」と強調。
  • 運動のこれからの課題。一般社会への浸透が不十分、工業的畜産と社会問題(健康・環境・飢餓問題)との関連性についての認識が不十分。
  • サステナブルフード運動をさらに展開させる「フードメディアプロジェクト2011-2013」がアナ(Anna Lappe)を中心に構想されている。地域の食のリーダー300万人(連携する諸NPOの会員総数?)を対象に、メッセージを徹底。手法としては、オンラインビデオの作成、草の根ワークショップ、ウェブサイト、白書編集など。
  • 日本の状況を改善するメッセージをどう発していくか。実は原発事故が逆風になっている面がある。皆の頭を放射能汚染のことが占めている。松山市の給食では、私たち市民運動の要請に市が反応して、給食の安全性を確保するために放射能測定をし、食材も選ぶという姿勢がとられた。牛肉(従来は栃木産)・牛乳(従来は北海道産)をいずれも愛媛産に切り替えることになったが、飼料は「国産では不安」ということで輸入飼料になった。お母さんたちのあいだでも「それで安心」という反応。喜んでよいやら、悲しむべきやら。
  • しかし、米国のフランシスは「フード運動がかつてないほど盛りあがった時代」と楽観する。

(以下、質疑応答)
藤原委員: CSAとは何?
 ── 野崎: Community-supported agriculture、日本の「提携」運動に近いイメージ。前払いで農家を支える。

竹本徳子委員: 食に関しては日本の試みのほうが米国よりも先行している筈。若いあなたが米国の運動に学ぶところが多いと感じたのは、なぜ?
 ── 野崎:たしかに米国のほうが状況は悲惨で、問題は多い。だが、それだけに対抗運動の動きも大きい。食品添加物の規制などでは、日本よりも進んでいる。たとえば、加糖ブドウ糖、トランス脂肪酸の規制など、日本より進んでいる。日本では規制されていないし、何が問題なのかという認識も薄い。

藤井理事: 映画『フード・インク』を見て、面白かった。O-157のような問題は、毒性のせいか、それとも人間の抵抗力が弱まったせいか?
 ── 野崎:抵抗力が弱まったかどうかは分からない。毒性は非常に強い。工業的畜産がもたらす不衛生さが問題とされた。

グリーンピース・金繁典子さん: GMについての米国での意識は?
 ── 野崎:これは日本と違う。自然食品店で売ってるパンでさえ、GM小麦を使っている。

瀬川嘉之さん:「有機畜産」といっても、実際はいろいろ。どの程度の率で存在していると言えるのか。 ── 野秋:数量的には把握できていない。

大沼委員: SPIの組織について、スタッフ数や資金源は? ── 野崎: 資金については、あまり話してくれなかった。アンブレラ団体が別にあることは確か。食の12分野毎に電話帳のような分厚いdirectoryがあった。

細川理事: 食の運動が「ノアの方舟」的に少数先鋭化していくことの隘路にも注意すべきでは? 工業的畜産への代替策として提案されているもので、すべての人・食品を賄うことができないという現実にどう向かい合うか。
 ── 野崎:「ノアの方舟」的になっている感はたしかにある。しかし、SPIのフランシスはきわめて楽観的に「We can do it!」と言う。


----------------------------------------------
【第15報告】17:47-18:20
玉山ともよ さん
米国ニューメキシコ州文化財として認定されたテーラー山における「ロカ・ホンダ」ウラン鉱山開発問題


  • 住友商事40%、カナダのストラスモア Strathmore社60%の出資、JOGMECの助成金(海外ウラン探鉱)
  • 地元の先住民族は開発を阻止する目論見としてテーラー山を文化遺産として登録。テーラー山のまわりに約20の開発申請(ウラン鉱山、精錬所など)
  • ニューメキシコ州のグランツ・ミネラルベルト(いわゆるFour Cornersの南東)、かつてのウラン鉱山地帯、残土・鉱滓による汚染・被曝・健康被害のある地域 → MASE(安全な環境なための多文化同盟)を結成してこれらの問題にとりくんでいる。比較的新しい団体。
  • 「聖地開発」をめぐって ── 経済的価値か文化的価値か、という二項対立の枠組み、開発サイドの目的や目標に逐一対抗するロジックを束ねる概念としての「聖地を守る」。
  • 反対運動は先住民族にとっては「生存のための闘い」であるが、開発側はそれを「カントリーリスク」として見る。リスク解消のための公費注入、という動きになる。
  • 聖地開発で特にいま問題となっているのは、地下資源開発と水。地上施設(ウラン鉱山・精錬所【←★修正】による水系の汚染、石炭採掘にともなう大量の水消費と廃棄(ホピ居留地のピーボディー鉱山の事例)、天然ガス掘削におけるfracking(水圧破砕)。原位置抽出法(ISL)による地下水汚染。
  • 南西部乾燥地域の先住民族にとって、水は死と再生の循環(死んで霊となり雨となって降りてくるもの)
  • ロカホンダ開発。実務はS社、住商・日本政府は出資。日本政府の公的資金がなければ開発は進まなかったと考える。助成金の名分は「地質構造調査」であるが、この地域の調査は、S社の前の会社が すべて ほとんど【←★玉山さんのご指摘により修正】 済ませていて、S社も住友も新しい調査はしない予定。【★玉山さん追記: S社も住友も新しい調査を行うためには、逐一州政府の鉱山資源局に許可を得なければならないので申請書の作成に非常に時間とお金がかかる。すなわち地質構造調査の前段階の許認可業務がほとんどで、物理的な地質構造調査の比率はおそらく非常に低い。】
  • 操業開始は2017と予定されているが、すでに株価値上がりなどで会社は利益をあげている。
  • 原発を再稼働させる → ウランの国際価格が上昇する → ウラン関連株の価値が上がる → ウラン開発への勢いが復活する。ここに、大飯原発を再稼働させてはいけない理由がある。
  • 福島事故後は、日本国内でのウラン需要がなくなって、海外への輸出が想定されている。しかし、そういうことにJOGMECの助成金が使われるのはおかしい筈。
  • ジャパンマネーによる開発にもかかわらず、日本の人が全く知らない。ステークホルダーになれていない。

(以下、質疑応答)
遠藤委員: 以前、採掘していた地域であらためて精錬するということ?
 ── 玉山:以前の開発はウラン価格の暴落で中断、どの会社も後始末しないまま残土や鉱滓を残して去って行った。精錬所が遠くにしかないので、あらたにこの地域に精錬施設を設けて、放置された鉱石の製錬やISLによる新規採取をするということ。 製錬する。製錬しないと取引売買される形のイエローケーキにならない。遠くに持って行ってはコストがかかるので、そのためロカ・ホンダ計画は、地下鉱山だけでなく精錬所建設も含めた開発計画。【←★玉山さんのご指摘により訂正・追加】 
【★玉山さん追記: おそらく放置されている鉱石や残土は製錬されずにそのままほったらかしになると思われます。ISLは、同じグランツミネラルベルト内の別の地区(チャーチロック等)で計画されています。】

細川理事: 世界的に同時進行しているウランピークによる再開発の動きの一環。株操作や公的資金などの支えがないと立ちゆかない産業になっている。
 ── 玉山: 公的資金の流れがきわめて不透明、市民の関与がそこに発生しえないことが問題。JOGMECの情報公開も減っているのではないか。

----------------------------------------------
16:20 プレゼン15件、すべて終了
菅波さん:今日の参加者は76名でした。

事務局長(高木久仁子)あいさつ

  • いま私たちは、とても厳しいところに来ている。産業・経済の曲がり角でもあり、市民の運動をどう立て直していくか。コップの水は「まだ半分ある」という見方で歩んでいきたい。



2012年6月3日

【Nuke/Soc】吉野裕之さん「福島を生きる」


2012年6月3日、京都・堺町画廊にて、吉野裕之さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)のお話を聴く機会がありました。その際のメモです。【文責・細川弘明】

【2012.6.19 追記: 誤字修正、リンク追加】
【2012.6.20 追記: 西山さんのお名前の漢字が間違っておりましたので訂正しました。大変失礼いたしましたm(_ _)m ; 会の主催者の記載が不正確でした。訂正いたしました。不注意をお詫びいたします。】




「福島を生きる ── 福島の現状紹介」

15:00-

  • 私の家族の避難先に京都を選んだのは、京都府の対応がいちばん優しく手厚かったから。福島の行政が自主避難者への対応がまったく無かった時期だったので、嬉しかった。
  • 昨日、龍谷大(NPO政策論)で話をした。
  • 渡利の「花見山」、山主さんの判断で今年もあけなかった。しかし、ふもとのお土産村はあいたので人は集まってしまった。
  • 汚染の概況(写真、グラフ、地図などで説明)
  • 南会津はほとんど汚染されなかったが、修学旅行生の激減など経済的打撃うけた。現状の汚染もさることながら、福一がどうなるか分からないという状況がネック。
  • 昨年5月上旬、保護者の集い。口コミだったが250名くらい集まった。会場暑くて大変だったが「窓開けられないようね〜」ということで我慢した。
  • そのとき、フランスの放射線測定の専門機関 CRIIRAD のサポートで食品測定もしたが、シイタケで8000Bq/kg出て、持ってきた菜園主(福島市北部)は青ざめていた。
  • 避難相談会、各地のグループ
  • 県との交渉、山下俊一医師の件。山下医師の「安全」論をきいて、信じたい人と不信に思う人とで二分されてしまったのが、福島の不幸の始まり。
  • 6万人集会(武藤類子さんがスピーチをしたとき)、沿道の人たちが迷いつつも参加してくるのを沢山みて、感慨深かった。
  • 浜通りからの避難者の仮設住宅(南矢野目通下)は、福島市のなかでも線量の高いところ(>8μSv/h、cf. 大波で9μSv/hだった頃)
  • 放射線業務従事者(2008年に7万数千人)の平均被曝量は年々下がってきて、2008年には1mSv/paにまで落ちていた。
  • 地上1mと地上直置きとで線量が5倍違う。(eg. 0.7μSv/h : 4.0μSv/h) ── そこに女の子が体育座りをしていいのか。生殖腺被曝。
  • ガラスバッジをつけて通学する光景、ほとんどSF的。
  • 甲状腺検査(2012年3月末)、35%に5mm以下の結節/20mm以下の嚢胞、0.5%に5mm以上の結節/20mm以上の嚢胞。結節は要注意・要経過観察(菅谷医師コメント)。しかし、次の検査は2年後とされる。子どもの数が多く(30数万人)、検査技師も足りない。県外の検査(セカンドオピニオン)まで規制しようとする県の姿勢。
  • 定時降下物(セシウム)の測定数字、日によってかなり変動、累積を見て行くと相当。昨年11月で200を切ったが、12月に500前後になり、今年1月2月は1000Bq/m2水準だった。大気圏核実験で一番高かった1963年6月で550Bq/m^2。しかし「もう空気中にセシウムは無い、マスクしなくて大丈夫」と言われてしまう。
  • 「特定避難勧奨地点」の基準が自治体によって違う。伊達市、南相馬市では「子ども・妊婦基準」を設定している(各2.7μSv/hと2.0μSv/h)が、福島市では「2μSv/h以上で除染」(避難はさせない)という姿勢。当初は住民で除染」と言っていたが、現在は「業者にやらせるので、住民は作業しないように」という説明に変わった。
  • 除染作業のとき、通学路を変えない(作業地点でガードマンがいるので「安全に誘導する」という言い訳) ── 実際に渡利地区での作業をみると、通行人があっても作業を止めていない。
  • ハローワークで、除染ボランティア学習会(手当15万円月額、3ヶ月で資格とれる)に誘導、手当めあてで行くので講習ちゃんときいてない。しかし、資格はとれるので除染に駆り出されている。
  • 唯一、作業の進んでいた大波地区でも作業が止まった。仮置き場が一杯になったから。渡利地区では、仮置き場すらまだ立地できていない。
  • 流水除染、側溝にゼオライト詰めた袋を仕込んでおいてセシウム吸着させる。しかし、汚染したゼオライトの袋を置く場所がない。夜陰に乗じて、河川敷に持ち込み、ブルーシートをしいて積んである。
  • 飯舘村からの避難民が、仮設からあぶれ、アパートも見つかるのは渡利のみ、ということでむざむざ線量の高い地区に住んでいる。
  • 避難民の多くは「待てるのは2年」(そのあいだに除染が進めば帰還を考える、という意味)。現在、避難できずに残っている人は、とじこもって我慢するしかない状況。 ── 避難・疎開をすすめると、その人たちを追い詰めてしまう恐れ。保養の受入を拡充することが効果的。
  • 保養プログラムの例、写真紹介。プログラムがあると、なにかと技のある人が協力してくれる(蕎麦打ち得意、etc)。ほとんどの子どもが質問するのは「ここ、土さわっていいの?」
  • 子どもだけですごす時間も貴重、いまそういう機会がほとんどない。避難世帯の子は、遠くの学校にスクールバスで通うが、放課後ともだちと過ごすことができない。
  • 飯舘村を想い出すような似た環境で保養プログラムをしたとき、かえって村を思いだしてしまう(帰れないだろうことは子ども達もわかっている)ので、よくなかったかとも思う。保養プログラムで走り回る子ども達を見て、5年後にこのように走り回れるだろうか、と大人たちは思ってしまう。
  • 保養の効果(体内のセシウムを排泄するのに要する時間)を考えると、1ヶ月前後のプログラムが重要。しかし、現状では、受入れ数に限度あり。京都のゴーワクなども、毎回やって、参加者が固定してくると(それは意味のあることだが)新しい人が行けなくなる。
  • 学校のプログラムのなかに組み入れて、公的なプログラムとして進めることが必要。「ローテーション保養」、既存のクラス単位で。
  • 札幌では「学習保養」(受験勉強の集中合宿)という試みもあり。
  • 国会で法案審議中、与党案と野党案。自主避難の選択を保障する内容。就労支援・就学支援・生活支援を国がする。避難せずに残る人にも支援体制をくむ。「警戒区域外であっても一定レベル以上の被曝をする地域」という曖昧な書き方(理念法)にしてある。医療補助対象が「子ども・妊婦」とされている点が法案の問題。成人すると補助が切れてしまう(チェルノブイリでも同じ問題あり)。
  • 法案が通れば、福島県だけでなく、全国が対象となる。【2012.6.19追記: 法案は、与野党案が一本化され、衆議院・東日本大震災復興特別委員会で審議のうえ、採択されました。】
  • 京都の支援はとても充実しているし、行政の取り組みも熱心。なので、持続してほしい。
  • 避難できる人はすでに出ている。出来ない人が残っている。
  • 質問:「(避難後の経済支援として)生活保護を使わないのはどうして?」 ── 考えたこともなかった(吉野さん、西山さん) 【註: 家のローンなどを抱えた避難者への弁護士からの助言として、ひとつの選択肢としてではあるが、自己破産して債務を消して、避難先の自治体で生活保護を申請し、生活をととのえてから、ゆっくり仕事を探すという方法もある、とのこと。生活保護申請には、弁護士が同行サポートする。】


16:50 休憩

17:05 再開

西山祐子さん(「避難者と支援者を結ぶ京都ネットワーク みんなの手」代表) ── 「こどもたちの夢の夏プロジェクト2012」の説明


  • 原発事故は、線量だけでなく、福島の人をばらばらにしてしまった。避難できても、家族と別れたり友達と別れたり。「再会」の場をつくることで、つながりなおすことと、そこから避難に結びつける糸口にしたい。
  • 同級生再会プロジェクト(7/28-8/2)於:京田辺 ── ママ達の語り場も設定、子ども達の意見交換も
  • 家族再会プロジェクト(8/10-16)往復バス ── 昨年末に「一歩の会」のプロジェクトで昨年暮れに実施した(イベント無し)、今夏は美山でのイベント、一方、お盆に福島に帰省する人たちにも対応。
  • みんながスカイツリーの話題で盛り上がるなか、放射能のことを訴えていく「戦闘モード」を維持するのは精神的にもつらい。でも、ライフワークだと思うようになった。福島の問題ではないし、日本のみんな、世界のみんなの問題だということを伝えつづけたい。
  • 二本松から避難してこられた石山さん(女性)、京丹波で畑かりて自然農の野菜作り。
  • 吉野さん: 避難して来た高校生、いわき市に残る友達に手紙書いたが出せずにおいてあった。その友人も実は、手紙を書いて出せないままだった。お母さんどうしが連絡とって判明。 

17:50 終了


今日の集まりは「みんなの手」主催の「みんなのカフェ」として開かれました。(協力:こどもたちの夢の夏実行委員会)
 ── 美味しい手作りお菓子と心あたたかな空間を用意してくださいました。どうも有難うございます。

2012年3月25日

【Nuke】市民放射能測定の交流会



2012年3月25日、名古屋での「放射能測定活動に関する研究交流会」(高木基金主催)の様子を会場から中継ツイートしたものを再録します。

当日ツイートしたままですので、一部、文章に乱れがありますが、ご笑覧ください。

なお、高木基金では、市民による放射能測定(食品および環境試料)の経験と課題を共有するための、このような研究交流会を定期的に開催していく予定です(次回は6月下旬)。お問い合わせ、事務局までご連絡ください。


----------------------------------------------

名古屋にて、高木基金主催、放射能測定活動に関する研究交流会、いま始まりました。全国から16団体が集まり、活動報告と技術面での交流、課題の共有などをしていきます。まずは、各団体5分ずつの自己紹介(それぞれ詳細な活動概要の一覧資料=事前アンケートを見ながら)

1「ちょうふ市民放射能測定室」準備室 藤川泰志さん 調布近辺の落葉・土などの測定 これからアロカNaIスペクトロメータを仕入れて食品等の測定室を立ち上げる。2インチか3インチで迷って、機種確定保留。インド・ウラン鉱山訪問のことも紹介。おむすびアートで福島農産物応援したい。

2「せとうち市民放射能測定所」大塚尚幹さん(川内村から岡山市へ、小さい子つれて避難)チェル事故のとき中学生、当時、自治体が測定器購入した。今回は日本のことなのに自治体の腰重い。市民で自主測定、移動測定も。At1320a 2.5インチ 年300検体くらいをめざし測定・公表。

3「さっぽろ市民放射能測定所」富塚とも子さん 同じくAT1320a(4月末納入予定) チェル事故のとき測定室の設置に挫折した人たちが再度たちあがる。行政のもつゲルマとの役割分担を考えつつ、福島からの避難者とも連携しつつ。

4「いわき放射能市民測定室たらちね」木村肇二郎さん いわきはヨウ素の初期被曝にさらされた。寄付と貸与でスペクトロメータ4台、WBC1台。実績1200検体、ほとんど10Bq/kg以下 市場流通とは別のコメの贈与経済にも留意。海幸山幸の土地だったが津波と汚染で両方やられた。

4(たらちね)続き WBCのデータ見てると、山に入る人の数値がやや高い。食品ではなく呼吸か? 苔の濃縮も高い。測定器の校正に技術的課題。当初「野戦」の感覚で始めたが、「長期工作戦」の段階に。「威張るなゲルマ」シンチでいかに精度をあげていくか。

5「チェルノブイリ救援・中部」池田光司さん 南相馬に測定センター LB2045 井戸水のラドンはBiのピークを読むなどして判別。Bkg(屋外0.3uSv/h)の変動への対処など課題。地元との信頼関係を数字と説明でどう培っていくか。

6「放射能からきれいな小国を取り戻す会」菅野昌信さん(伊達市霊山町)応用光研のシンチ(3インチ)2台 小国地区90世帯が「避難勧奨地点」(3uSv/h以上)。しかし指定をめぐる不公平で地域内あつれき、回覧板もうまく巡らない状況。100mメッシュ500+【533】地点の線量率マップ化

6(小国)続き/ ベクレルモニター2台借り入れ、食品分析に取り組み始めたところ。公民館に設置。測定器の汚染への対処など、技術課題はいろいろ。

7「たまあじさいの会」雨宮一好さん ごみ最終処分場周辺の2次汚染と健康被害に取り組んできた。鉛・ダイオキシン・カドミウム・ヒ素・水銀など従来の汚染に加えて、ごみ焼却で濃縮された放射能が最終処分場に集まってくるという厳しい現実。

7(たまあじさい)続き/ 処分場周辺の野鳥減少、植物異変、風下集落のがん多発など、すでに起きていることに、これから放射能が加わってどうなるか。ともかく調査して記録をきちんと残していく。PA1000で線量調査。バグフィルタ神話の一人歩き。

8「個人被ばく市民調査 支援の輪プロジェクト」藤田康元さん 「支援の輪」プロは茨城福島両県でポケット線量計を貸し出す活動。週30uSvをこえるケースもあるが、精密な検証が課題。藤田さんは別途「筑波市民放射能測定所」を準備中(AT2310a)。

9「放射能測定伊那谷市民ネットワーク」小川正紀さん AT1320a 基準値をこえた測定結果の公開のしかたをめぐり、トラブルもあった。ほかの測定所の経験や方針を参考にしたい。伊那谷の作物はほとんど汚染されていないが、干し椎茸のデータを広範囲に見ていきたい。

10「放射能市民測定室・九州(Qベク)」応用光研FNF-401発注済み、4月末納品。まだお金たりない。データの一人歩きが心配、公開のしかた、会費制のありかたなど、経験を共有したい。九州は問題意識ひくく、なかなか大変。

11「長岡市民放射線測定会」佐藤公俊さん 測定所は立ち上げず、測定調査と勉強会 「たんぽぽ保育園」ごめんお名前わからない、女性。新潟市内で“野生児”保育。エステーACで露地の測定を続ける。子育て中の父母にわかりやすい情報の示し方を工夫していきたい。食品はPA1000のキットで。

11(たんぽぽ保育園)続き/ Radiの食品測定キットだと検出限界の制約あり、有効な活用法をさぐりたい。阿賀野川の土壌調査も継続していきたい。

12「小さき花 市民の放射能測定室」石森秀彦さん(仙台市、有機農家)FNF-401 宮城県(とりわけ仙台市)は放射能への対応が遅れている。有機農産物の宅配、中止せざるをえず。測定が本当に必要なところを支援していく取り組みが必要。東京に測定室がたくさんできるのは../続き

12(小さき花)続き/..それ自体はよいことだが、人口の少ないお金のない地域での測定こそ必要。宮城県でデータが全く蓄積されていない状態に一石投じたい。何Bqまで食べるか、自由意思を大切にしたいが、そのために判断材料を多くしないと。

13「放射線測定室アスナロ」牛崎妙子さん(東京・足立区)FNF-401 ホットスポットの試料だから高いとも限らず、その逆もある。福島から送ってもらっての測定も。軽い食品(布海苔とか)だと測定のための重量確保が困難で、どうしたらよいか。

14「日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)放射能測定室」(Teamめとば)浜崎竜太郎さん(信州大物理学科の学生)アロカのスペクトロメータほか3台とキャンベラのGMC50台。検出限界をいかに抑えるか。ピークの解析ソフトについて詳しく知りたい。給食の問題も課題。

15「原子力資料情報室タニムラボ」谷村暢子さん EMFのシンチ・スペクトロメータ(4月納品予定)農家との共同研究体制を組んでいく。土を多く扱うことになるので、測定器の汚染にどう対処するかが課題。

16 フクロウの会の「フクロウラボ」(青木一政さん)は、今回不参加だが事前資料が提出されてます。AT1320a 食品・土・母乳・尿のほかハウスダストの測定も。行政に働きかけるためのデータとして使用していく。

高木基金・放射能市民測定の研究交流会(in名古屋)いったん休憩後、再開なう。大沼淳一さん(高木基金・選考委員)が名古屋C-ラボ(市民放射能測定センター)の取り組み紹介。昨年6月の高木基金緊急助成で測定室をたちあげた。/続く

大沼さん続2 専門家とボランティアの共同体制の確立、自主基準の設定という目標、さらに汚染激甚地への支援につなげていきたい。機種はアロカの2.5インチ、遮蔽38ミリ、ほんとはもっと厚いほうがよいが重くなる(設置場所困難に)なる。

大沼さん続3/ 各核種のさまざまなピークの説明。やはりシンチはゲルマに勝てない。ゲルマはピークが鋭い。市民ネットワークで1台あればチェックに使える(あやしげなピークの検証に必要)。シンチでは結晶と試料の位置関係が重要。容器にぎっちり詰めないとメーカーの用意した計算ソフトが狂う。

大沼さん続4 測定器は買っておしまいではなく、メーカーにどんどん質問・要求してアフターケアさせることが大切。サーベイメータでは100Bq以下は測れないと考えたほうがよい。行政の給食データなど、この意味で使えないものが実はある。

大沼さん続5 シンチの精度はNaI結晶の大きさが決め手。3インチ欲しい。マリネリ容器の導入で精度は向上。ボランティアの育成、毎月講習を開いて養成、シフトを組んで測定体制を組んでいった。専門家に頼り切らず市民科学者の層を厚くしていくこと。

大沼さん続6 スペクトルのサンプル(鱈、茨城の栗、土、ほか)挙げながら、説明。誤差の表示、ベルトールドのソフトは要注意。検出器の検出効率も意識して。容器にきっちり詰めないと効率さがる。紛らわしい天然核種ピーク(鉛214、アクチニウム228など)に注意!

大沼さん続7 測定器が汚染されると除染がたいへん。土を扱うときは最大限の注意を。Cs134の含有量が多い試料(とくに土・灰)だと137とのサムピークがK40と重なって判別できないので、要注意!(カリウムの過大評価の要因である場合も)ヨウ素と鉛のピーク誤認もよくある。

大沼さん続8 名古屋市内のホームセンターで販売されていた腐葉土で2万Bq/kgを超えた例(表面1.48Sv/h)。あま市の学校給食用シイタケ357Bq、しかし水に戻すと20Bq。何をどう測るかについても議論必要。

大沼さん続9 丸森町(行政)の測定結果を市民測定所複数でクロスチェックした事例の紹介。行政は10分測定だった。基準値超えたところで測定中断? きちんと時間はからないとデータ違ってくる。K40は鉛遮蔽の厚さで違ってくる。38ミリで80%カット。しかし鉛遮蔽体が放射線だしてた例も。

大沼さん続10 マリネリ容器と対応ソフトをアロカ社に改良させた結果、検出限界は倍以上下がった。尿などは濃縮しての測定など、工夫の余地あり。C-ラボなりの自主基準については午後にお話ししたい。政府新基準より被曝量1桁低く。

大沼さん続11 厚労省が公開している測定データは累積11万件程度。市民測定所が100箇所たちあがれば(すでに80は手があがってる)C-ラボ他の実績からみて12万検体はできる。政府の測定体制がいかに貧弱か。市民のネットワークの可能性をフルに発揮すれば、情報公開への大きな力に。

大沼さん続12 測定器ごとの性能比較表(暫定版を提示)、カタログを較べてもだめ。メーカーの技術者とやりとりしながら、実態を把握しないといけない。この点、メーカーの対応がかなり違うので、その情報も共有していきましょう。

大沼さん続13 200日おき40日の保養で、内部被曝を半分にできる。子どもを学校・クラス単位でひきうける(県や市の現有施設で可能)体制を今後つくっていくためにも、各地の測定ネットワークの情報と人脈が果たせる役割あり。

大沼さん続14 質疑若干。測定温度の要因、情報の公開原則のこと、土の測定のこと、測定誤差のこと(どこで見切りをつけるか)、新基準への行政の対応のこと、ほか。昼食休憩に入ります。ふぅ。。。

【放射能市民測定】高木基金の名古屋ミーティング、市民による放射能測定の研究交流会、13:40再開。午後はディスカッション(16時まで)とC-ラボ見学会。たぶん途中でバッテリーへたると思いますが、それまで囀ります。まずは、自主基準の設定について、大沼さんから補足説明。

【放射能市民測定2】放射能のリスクは化学物質のリスクに較べると、かなり甘く設定されてきた。10万人で500死というのは、結構おおきなリスクと見るべき。またこれはガン死だけなので、ほかの疾患はカウントされていないし、甲状腺ガンも致死性が低いということでカウントされていない。

【放射能市民測定3】C-ラボでたてた自主基準(東海基準)、名古屋での都市生活を想定しているので、東日本ではまた別の考え方も必要。0.22Sv/pa(Cs137係数)で設定したが、ベビーフードなどではゼロ追求。いわき「消費者のゼロBq志向は強い。限界以下という結果が信頼されない」

【放射能市民測定4】おぐに「汚染濃度高いので作物への移行も大きい。県の測定だとNDという紙が返ってくるが検出限界も示されないし測定時間も知らされない。NDがかえって不信を増している状況。」ちいさき花「今の状況でゼロはあり得ないので、4でやっている。実現可能な目標として。」

【放射能市民測定5】小さき花「自主基準を決める意味がよく分からない。科学的根拠はあるのか」「いや、あくまで社会的合意」「ICRPとECRRで5倍ちがうし、個人差が2桁のオーダーでかぶるので、えいや!という話になる。」「安心とか不安に目盛りはつかないので、う〜ん、が正解」

【放射能市民測定6】大沼さん補足: あくまで我慢してどこまで食べるか。汚染の現実と生産者の状況の両方を見て。自主基準だが、もちろん政府にも求めていく。政府基準が甘すぎることは明らかなので。しかしどこか別の国の基準に「正解」があるわけではない。

【放射能市民測定7】せとうち「政府基準以下の数値を公表すると企業から訴えられる可能性はある、と弁護士助言あった。数値は出してもコメントをつけると法的には微妙。別の弁護士からは数値を出すこと自体が営業妨害にあたると見なされうる、との助言。」

【放射能市民測定8】いわき「WBCうけたお母さんが、子どもに何を料理してやっていいのか分からない、と泣かれる。」小さき花「数字とリスクは正直なところ分からないし、分からないかと伝えるのがよいのでは」

【放射能市民測定9】守田敏也さん「ICRPのSv換算モデル自体がいちじるしい過小評価だという認識をまずもたないと。」C-ラボ渡邉極之さん「サンプル測定で危険を察知することはできても安全は確認できない。農地でも食品でも、汚染はすごくまだら。液体はともかく固体ではばらつきが大きい。」

【放射能市民測定10】渡邉さん続き「限られたサンプルで、傾向はある程度読めても、ロシアンルーレット的不確実さは残る。その段階で自主基準のような線引きはしないほうがよい。」─ 自主基準をめぐってはC-ラボのなかでも、ずっと議論が続いているとのこと。たぶん結論はでない、と大沼さん。

【放射能市民測定11】測定依頼者(食品流通業者)と測定室とで測定結果の公開をめぐってトラブルになった事例の紹介 ── ここは依頼者との約束にもとづき、非公開情報なので、ツイートも省略(=_=)

【放射能市民測定12】小さき花「(数字は)出せば出すほど批判は来る。給食の測定結果だけは出さないで、いつか刺されるから、と親身で言ってくれる人もいる。除染が困難な魚介の場合はたしかに産業への打撃も大きいので、注意が必要。会員制でクローズにするのも一案。」

【放射能市民測定13】守田さん「ケースバイケース。京都で保育園の給食を測っているが、非公開が条件。というか非公開にして初めて測定が可能になった。」大沼さん「C-ラボは、全品測定体制の構築をめざしている。ベラルーシは1日3万検体測っている。今の日本の測定体制はあまりに脆弱。」

【放射能市民測定14】「それにむけて測定数の実績を増やし、多少の批判はあっても公開して、流れを作っていくしかない。公の測定体制が貧困だという基礎認識からスタートすること。」たまあじさい「裁くための公開ではなく、市民に判断する材料を与えるのが市民科学の基本。そこに立って柔軟に。」

【放射能市民測定15】小さき花「公開してうまくいった(事態が改善された仙台の牛乳のような)ケースもある。」大沼章子さん「新基準は前提基準ではなく食品衛生法の拘束力のあるものなので、超えたら違法。市民測定所から通報する事態も今後ありうる。」

【放射能市民測定16】質問「土で高い数字が出た場合の扱いは?」小さき花「8000Bqを超えた灰など、試料はやまほどあるが、県は、埋めといてと言うだけ」守田「土の汚染は農業者の被曝でもあるという視点を」

【放射能市民測定17】国の基準は穴だらけだし、流通も1社あいだに入れば出所がわからなくなる。そういう現状が変わらないと。大沼さん「愛知県のゲルマは5台あるが、食品用は1台で、1日8時間しか稼働していない。市民がシンチでどんどん測定して、追い詰めていかないと公の体制が動かない。」

【放射能市民測定18】C-ラボ安藤さん「地元中小のスーパーと話しあって測定する動きを準備している」細川「スーパーの取り組みを変えることが目的なので、仮想敵にしない戦術を。」チェル救・池田さん「南相馬にいくと食べないとしょうがないという事情もある。マルを増やす活動を心がけたい。」

【放射能市民測定19】せとうち「ピーク面積の計算の仕方、メーカーが公開してないので、どうしたらよいのか?」大沼淳一さん「ソフトをまるまるもらって解析している。そういうことに応じてくれるメーカーを選ぶ。」C-ラボ大沼章子さん「アロカは関数フィッティングで読んでいく。/続く

【放射能市民測定20】大沼章子さん/続き 厚労省は窓を決めて(eg. 540-830keV)全部測るという方法を提唱。Atomtexも同様の処理。アロカはジニーという裏ソフト(ゲルマと同じ)で補正してる。」「全測定室から全メーカーにソース公開を要請すべき」「そうだそうだ!」

【放射能市民測定21】大沼さん「アロカも、実はキャンベラのソフトを使ってるので、C-ラボではキャンベラから直接、ソースをもらった。でも、測定所ネットワークでの断交もやっていいですね。」

【放射能市民測定22】せとうち「Cs137だけでて134が出ないケースは?」大沼淳「チェル事故や核実験の137を拾っている場合も、134+137のサムピークの場合も」小さき花「魚介では銀のピークが137に読めるケースもあった(ゲルマで確認)」

【放射能市民測定23】Q「フードプロセッサの洗浄は皆さんどうしてますか?」C-ラボ「水洗い。ただしシイタケのように濃度の高いものは鋏で切って、FPが汚染されないようにしてる」小さき花「検体は切って持ってきて下さいとお願いしてる」「検体の処分は?」「8000Bq以上のは保管」

【放射能市民測定24】小さき花「測って出なかったものは、貴重な堆肥の原料に。あるいは、美味しくいただいてます。」C-ラボ「ふつうにごみ出しします。」

【放射能市民測定25】Q「Cs134だけ出たことがあって、応用光研に問い合わせたらラドンでしょう、と言われた」大沼淳「(?_?)」大沼章「応用光研のは3インチ50ミリとスペックは素晴らしいけど、ソフトが不透明。もうちょっと親切に対応してほしい。」

【放射能市民測定26】ちょうふ「応用光研は測定時の温度を一定にと強く求めているが?」大沼淳「ソフト上の瑕疵である可能性がある。メーカー技術者からの説明が欲しいところ。」「メーカー共通で使える容器があると、試料交換して相互検証がしやすい。」これも断交事項かな?

【放射能市民測定27】標準試料が欲しい ── 大沼淳「名大の高野さんが作ってもよいと言ってくれてる。ただ、土だと相当攪拌してもばらつきが出るので、簡単ではない。」

【放射能市民測定28】ネットワークとして取り組んでいくべきことは? 精度向上の工夫の共有、行政の対応についての情報交換、メーカー交渉・要請、声明だしたり、賞?だしたり。

【放射能市民測定29】さっぽろ「行政が聞いたこともないメーカーの測定器を買おうとしてるが...」大沼淳「那須では性能比較表を提示して選んでもらえたので、比較表のバージョンアップをしたい。変なもの買わせない、というのも大事な運動。」

【放射能市民測定30】「ぜひMLを作ってほしい」「データの公開性の問題もあるので、注意が必要」「全国市民放射能測定ネットのMLが先行して立ち上がってるので、そこに合流していくのがよい」基金事務局・菅波完さん「直接顔をあわせて信頼関係をつくるところから始めた。今後も続ける。」

【放射能市民測定31】守田さん「内部被曝研究会では医師のネットワーク作りを進めている。ぜひ連携を。」おぐに「空気からの内部被曝についての取り組みは?」たらちね「いわきでは野外活動による吸引は無視できない要因。マスク着用などの注意しかできていないが。」

【放射能市民測定32】たまあじさい「がれき問題に十分注意を。バグフィルター神話が一人歩きしていて危険」藤原寿和さん「政府交渉も進めていく。日本の“基準行政”の問題が煮詰まってきた感がある。あと、市川でも測定室の立ち上げを夏にむけて準備してます。」

【放射能市民測定33】小さき花「市民測定室をこれから立ち上げる際は、カンパ・寄付だけにたよるモデルは危ういし続かない。仕事になるような経営モデルも意識して。うちは24時間稼働して、被災者を雇用するなどの形態をめざいてるが、なかなか大変。」

【放射能市民測定34】さて、定刻をすぎてしまいました。菅波さんから、細川理事まとめなさい、とふられたので、しどろもどろの挨拶。どもありがとございました。で、C-ラボの見学に行きま〜す! 

2012年2月18日

高木基金 公開プレゼン 2012.2.18




2012年度助成研究の選考プロセス)
応募者による公開プレゼンテーション

2012218日(土)
於:YWCAアジア青少年センター(東京・水道橋)

以下、当日の中継ツイートの再録です。【文責・細川】

----------------------------------------

高木基金の公開プレゼン、はじまりました。電波不安定につき、中継は途切れ途切れになるかと思います。1日かけて16件のプレゼンがあります。 #NGO

【高木基金公開プレゼン1】 熱帯プランテーション問題研究会(飯沼佐代子さん)インドネシア・マレーシアでのアブラヤシ・プランテーションの急増、熱帯林破壊の現在では最大要因。日本の「植物油脂」や激安コピー紙として流入。「責任ある調達」を求めていく。

【高木基金公開プレゼン1続】 藤井石根理事からの質問、企業にお願いする以上の戦略はあるのか? 飯沼さん回答:情報公開させること、消費者の反応(選択)につなげていくこと、企業は消費者からの声を無視できない。

【高木基金公開プレゼン1続々】 大沼淳一選考委員からの指摘、30年前のネグロス・バナナのキャンペーンのときは衝撃があって、バナナ買わなくなる人たくさん出た。アブラヤシのことではそういう衝撃に欠けるのはなぜか? ターゲットが明確でないのでは?

【高木基金プレゼン1続々々】飯沼さん回答:情報自体は昔より速く詳しく伝わるのだが、今は現地で人が死んでいても「衝撃的ニュース」として扱われない。一方、企業は昔よりも消費者やNGOの声を無視しなくはなってきている。

【高木基金プレゼン1続々々々】会場より質問、RSPOについて。飯沼さん回答:開発されてしまった既存農園での環境配慮のような面では一定の進歩があるが、新規開発にともなう土地問題・人権問題については配慮がゆきとどかない。

【高木基金プレゼン2】畠山敏(モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク)「アイヌ民族の権利回復に根ざした海と陸(おか)をつなぐ ── 持続可能な地域づくりに向けての調査研究 北海道・紋別」 紋別での重要行事と重なり来場できなくなったためパワポ映写しながら事務局代読

【高木基金プレゼン2続】紋別におけるESD(持続可能な開発のための教育)の取り組みから、モペッ・サンクチュアリの構想が出てきた。アイヌ民族の歴史・文化・権利をふまえて。一方、上流で産廃処分場建設(公害防止協定をむすぶための調停が進行中)。

【高木基金プレゼン2続々】課題が2つ、(1)地元紋別における市民の理解と参加、アイヌ民族への理解は必ずしも市民にゆきわたっていない;(2)科学的データの不足、市民参加型の調査の必要性。アイヌ民族の権利擁護と環境を守ることをふまえた冊子をつくりたい。

【高木基金プレゼン2続々々】大沼選考委員から4つコメント(1)水質調査計画があまりにちゃち。これでは戦えない。(2)生態調査は毎月、最低でも年4回やらないと見えない。

【高木基金プレゼン2続々々々】(3)ワイルドサーモンの証明は難しい。DNAチェックを。証明できれば非常に重要なポイントになる。(4)操業初期は汚水処理をする。埋め立て終了後は、企業が逃げてしまうが、汚水は出続ける。そのときが危ない。

【高木基金プレゼン3】市民と科学者の内部被曝問題研究会(矢ヶ崎克馬さん)「福島原発事故による内部被爆問題の研究と市民科学者の要請」内部被曝隠しがずっと進行してきた。科学データが系統的に隠されてきた。まっとうな科学としての「被ばく学」、命を守れる科学を発展させたい。

【高木基金プレゼン3続】矢ヶ崎さん: 原発推進は、功利主義にたった政治支配、被ばく受忍を強制する。受忍強制(ICRP勧告)を許してはいけない。犠牲者をいかに隠すかという支配体制。ともかく公的な記録に残さない、ということが徹底してきた。

【高木基金プレゼン3続々】山下博美選考委員から質問、研究手法は? 矢ヶ崎さん回答:まずはこれまでの研究成果を組み合わせる。物質が体に入るという基礎事実をきちんととらえたい。なぜ症状がでるかの仕組みを押さえることが大事。

【高木基金プレゼン3続々々】熊谷さん(一般参加者)から質問、300名の会員はどういう人たち?疫学調査はするのか? 矢ヶ崎さん回答、医師・弁護士・生物学者・一般市民、1万人に増やしたい。疫学調査をやってきた方も参加している。それぞれの専門性をいかして活動したい。

【高木基金プレゼン3続々々々】矢ヶ崎さん:しかし、放影研の福島での疫学調査はチェルノブイリでの欺瞞が繰り返されることを危惧している。瀬川嘉之さん質問、原爆症認定訴訟の勝利要因は、裁判者が、疫学を重視したのではんく、ひとりひとりの被爆者の被害状況を重くみて認定したことにあるのではないか。

【高木基金プレゼン3続々々々々】矢ヶ崎さん回答:裁判ではひとりひとりの状況を確認するということが重要であった。それがないと裁判が進まない。そのプロセスが内部被曝の証明になっていく。

【高木基金プレゼン3さらに続き】細川質問、メンバーが大御所揃いだが「市民科学者の育成」をどうする?ゲノム科学の成果をどう評価する? 矢ヶ崎さん回答、大学生くらいを対象にしたセミナーを多く開きたい。分子生物学の発展はICRPにまったく反映されていない。重要なので勉強していきたい。

【高木基金プレゼン3、最後】矢ヶ崎さん:いま一番の課題は食事を通じての内部被曝をいかに防止するか。健康調査は内部被曝をしてしまったあとのこと。後追いよりも、現在進行中の事態をくいとめることが先決。非汚染地帯での食料増産、農民の移住もふくめて考えないと。

【高木基金プレゼン4】神奈川母乳ネットワーク(入澤牧子さん)「神奈川県における乳幼児への放射能汚染の実態調査」小さな数字は無視していこう、という流れに抗したい。何らかのデータとして出していくしかない。尿のほうが検出されやすいので、むしろ尿検査を主体にしていく。

【高木基金プレゼン4続】ネットワークに参加して母乳・尿を検査に出している若いお母さんたちも思いを語る。スライドないので「私たちがパワーポイントです!」子どもの様々な症状が気になる。検査で数字が出てもそれをどう解釈すべきか悩む。日々の選択、あらゆる場面で決断をせまられる。

【高木基金プレゼン4続々】10年後、20年後の子ども達の健康を見据えていくために、今の現状をきちんと知っていくことが大切。日頃食べていくものへの意識も高めるかたちで取り組みたい。検査の数字だけでなく、不安や悩みも記録していく。

【高木基金プレゼン4続々々】高木基金の助成金の使い道は、すべて検査費用。出た場合にどう対応していくかが課題。フロア(内部被曝問題研究会の吉木さん)から質問、検査の数字の基準をどう考えるかが問題。内部被曝の研究が進むにつれて評価は変わっていくことを考慮して判断されたい。

【高木基金プレゼン4続々々々】入澤さん:現時点では、検査に参加しようとする女性は、そもそもふだんから食事などに気をつけて生活している人たち。気にしない生活をしていた人たちの検査結果とも今後比較して、考えていきたい。

【高木基金プレゼン5】山下正寿さん(高知県太平洋核実験被災者支援センター)「ビキニ事件の実相と福島原発被災との関連調査・研究」第五福竜丸は核実験を察知して急いで水域を脱出したが、被爆した。核実験を知らずに現場水域で操業続けた高知の漁船が多かった。

【高木基金プレゼン5続】漁船員は、雨に濡れて作業した。海水で風呂を焚いた。それで被曝した。マグロ漁船員は長生きできない、というのが高知での実感。みな40代、50代で癌で死んでいく。今日も明日も葬式という感じだった。

【高木基金プレゼン5続々】今のこされている漁船でも汚染が確認できた。機関室の油から300カウントくらい。当時の埃を吸い込んでためている。高校生と一緒にずっと調査してきた。若い子が行くことで初めて話をしてくれたというケースも多かった。

【高木基金プレゼン5続々々】ビキニ被爆問題は政治決着させられてしまった。福島でも同じことが繰り返されるのではないかと心配。根の深い、隠された事実をできるだけ伝えたい。米国の公文書記録を追うことで「因果関係」はかなり明らかになりつつある。

【高木基金プレゼン5続々々々】大沼淳一選考委員の質問、韓国台湾での調査もするとのことだが? 山下さん回答:汚染水域に日本漁船が行かなくなったので台湾の船を行かせた(日本の古い船を使った)。検査体制ととのわず、米国の干渉もあって、汚染状況や被曝実態は不明。聞き取り調査したい。

【高木基金プレゼン5続々々々々】フロアより質問、健康被害のデータは? 山下さん回答:医師の検診記録はあり、これを分析していきたい。内部被曝問題研究会にも協力要請。船によっては降下物の濃度の記録もあるので照合したい。

【高木基金プレゼン5、最後】熊谷さん(一般参加)から質問、海洋汚染を福島と比較研究するとあるが、具体的には?── 山下回答:海のホットスポットは底引き漁民に聞くと見当がつく。そこの海底調査をしないといけない。

【高木基金プレゼン6】澤井正子(六ヶ所再処理工場放出放射能測定プロジェクト)「六ヶ所再処理工場からの放射能放出に関する調査研究」高木基金による2005年以来の継続研究。報告会では、測定してるだけじゃないかとの厳しい批評もいただいた。

【高木基金プレゼン6続】福島事故がおきたことで、汚染が重なってしまった。六ヶ所周辺で継続して測定していたことで、福島由来の広域の汚染が証明される形となった。砂、松葉の測定で確認。

【高木基金プレゼン6続々】六ヶ所のガラス固化施設は、ABも詰まった状態で止まっている。廃液・廃棄物がたくさん生じているので、運転止まって今手も液体・気体の流出は続いている。炭素・トリチウム・希ガス(クリプトン)。

【高木基金プレゼン6続々々】澤井さん:「再処理工場が原発事故で汚染された」という奇妙な状況。しかし、空間線量だけでいうと、現在、東京・日比谷公園のほうが六ヶ所再処理工場の真横よりも倍くらい放射線が高い。

【高木基金プレゼン6続々々々】大熊町(警戒区域内)での10月のサーベイの報告。アロカのサーベイメータ(30uSv/h限度)が振り切れる場所多かった。100uSv/hレベルのところも。試料もとった。現在分析中。(双葉病院玄関前の写真が生々しい。)

【高木基金プレゼン6続々々々々】細川質問、今後の調査設計みなおしは? 澤井さん回答:京大の小出さん今中さんと相談しつつ、検討中。測定は続ける。再処理工場からの今後の放出のシナリオ、プールは満杯なので最悪の放出シナリオも含め、評価しないといけない。日常的な放出も続いている。

【高木基金プレゼン6さらに続き】澤井さん:六カ所工場の深刻な問題は2つ。大量の使用済み燃料がプール満杯で残っていること(メルトダウン心配)、高レベル廃液が残っていること(廃液を液体のまま長期貯蔵することは、やはり危険。固化をどうするか)。

【高木基金プレゼン6、最後】福島サイトの高濃度廃液も再処理廃液なみ。六ヶ所はまだタンクに入っている分まし。セラフィールドもハンフォードも東海も、HLWは液体の状態で残っている。地震によるタンク破壊なども想定しないといけない。

【高木基金プレゼン7】再開、午後の部です。高島美登里さん(長島の自然を守る会)「上関原発予定地周辺の生物多様性の解明と普及活動」福島事故をうけて上関をめぐる情勢も大きく変化した。工事は山口県知事の中止要請をうけて、ずっと中断している。

【高木基金プレゼン7続】 昨年の成果、オオミズナギドリの採餌領域(宇和島、半径50キロ範囲)の確認、内海環境としては世界初確認、範囲サイズとしては世界最小。外界のオオミズナギドリは5001200キロの範囲で採餌する。宇和島のポピュレーションは小さい、100つがい規模。

【高木基金プレゼン7続々】 今年は、カンムリウミスズメについて海外の専門家チームと連携調査、オオミズナギドリの継続調査、魚類の生息状況調査、未利用海藻の商品化を試みる。上関周辺地域の世界遺産登録あるいは生命圏リザーブ登録をめざす活動を進める。

【高木基金プレゼン7続々々】人の心にも変化がおこりつつある。推進派だった漁師さんが反対派に変わったりもしている。原発工事用船の船主が、もう工事は進まないからとの判断で船を売りに出した。私たちが買って、観察会などに活用することにした。

【高木基金プレゼン7続々々々】日本自然保護協会から沼田眞賞をいただいた。私のような素人が調査を続けることにどういう意味があるか、悩み続けてきた。専門家との共同調査も高木基金の支援がなければできなかった。ほんとうに皆さんが支えてくださったおかげ。

【高木基金プレゼン7続々々々】プロの研究者の方からも「地元の観察者がいなければまともな研究はできない」と言われる。これからも粘り強くやっていきたい。(会場拍手)以上、長島の自然を守る会の高島美登里さん。

【高木基金プレゼン8】 隅田聡一郎(市民科学者放射線防護ネットワーク)「福島第一原発事故による放射能汚染と「低線量」被ばくによる健康影響を検証するプロジェクト」 政府の進めている健康影響調査などをチェックしていきたい。

【高木基金プレゼン8続】6月に市民科学者国際会議を企画、3つのセッションで構成。低線量被曝についての学説の相違について整理、福島事故の汚染データを共有と分析、チェルノブイリの実態をふまえ、福島の被ばく防護策を議論。

【高木基金プレゼン8続々】細川よりコメント、取り組み課題があまりに多くて、本当にどこまでできるのか見えなかった。もっと作戦を明確にすべきでは。あまりに網羅的なことばかり言うのは不真面目ではないか。

【高木基金プレゼン8続々々】予防原則とリスク評価の混同について、遠藤委員、大沼委員より指摘あり。FoEの満田夏花さんより、国際会議のアウトプットについて見通しの甘さの指摘あり。

【高木基金プレゼン9】菅澤紀生さん(弁護士、泊原発の廃炉をめざす会)「泊原発の廃炉を実現させるための研究」代表は小野有五さん。最初にスミソニアン研究所のEarthquake & Volcanic Eruptionsの動画再生。日本で原発をたてることの尋常でないリスクが一目瞭然。

【高木基金プレゼン9続】研究の進め方: 日本海側のプレート境界と活断層の特定、北電が何を認め、何を認めていないか、日本海側の過去の津波の調査(とりわけ奥尻島と積丹半島の現地調査)。研究成果を市民と共有する学習会や出前講座を展開する予定。

【高木基金プレゼン9続々】泊裁判における北電の主張の基本は「日本海側はだいじょうぶ」。これを論破するためのデータ整理と解析を確実にし、裁判の証拠にしたい。

【高木基金プレゼン9続々々】 河合代表理事から質問、訴訟に耐える証拠をいつまでにどれくらい確保できるか見通しを。変動地形学の方たちとの連携は? 菅澤さん回答:小野の専門は地形学、積丹と奥尻の臨検は変動地形学の渡辺満久
さんらと同行の予定。秋までに成果は出せる。

【高木基金プレゼン10】中山均さん(福島原発震災情報連絡センター、新潟市会議員)「福島原発震災による放射能汚染被害者援護策に向けた課題に関する調査研究」反原発運動を続けてきた地方議員でセンターを昨秋、設立した。代表はいわき市の佐藤和良市議。

【高木基金プレゼン10続】福島被曝者のおかえている状況は、憲法で保障された生存権の蹂躙 援護法(仮称:福島原発震災被曝者援護法)の制定をめざす。「治療なき調査」は棄民化政策にほかならない。

【高木基金プレゼン10続々】チェルノブイリ(旧ソ連下)での住民支援諸政策の実態調査をおこなって、福島に生かしたい。広島長崎の被爆者援護に時間かかりすぎた。この時間を繰り返させないことが重要。水俣病など公害と福島との比較もふまえたい。

【高木基金プレゼン10続々々】制度設計と法案整備: 援護法のもと、被曝者健康手帳の発行、定期健診、医療無償化、社会保障(手当)などで構成。生存権は市民自体が勝ち取らないといけない。制度圏と運動圏のはざまで活動してきた地方議員としての責務を痛感しつつ、取り組みたい。

【高木基金プレゼン10続々々々】FoE満田さんから質問、議員立法を模索する国会議員との連携は? 援護法制定前に自治体レベルでできること(避難促進など)は? 社会運動としての土俵づくりは? 

【高木基金プレゼン10続々々々々】中山回答: 自主避難の先々の自治体の対応の違いにより、避難者の境遇はさまざま。より確実で、法的な可能な措置を実現させる、というのは議員の得意分野なので、尽力していく。ロビーイングと社会運動の連携というのは、ご指摘通り重要。連携すすめたい。

【高木基金プレゼン10続々々々々々】遠藤委員より質問、チェルノブイリへの実地調査は必要なのか?先行研究がかなりあるのでは? 中山さん回答: 研究報告はもちろん読んでいるが、現地での行政や医療関係者のインタビューを、現在の私たちの問題意識からおこないたい。

【高木基金プレゼン10さらに続き】遠藤委員よりもひとつ質問、県の健康調査に多々問題あることは分かるが、水俣では全県での全容調査をしなかったことが後々ひびいた。健康調査のメリット・デメリットの評価は? 

【高木基金プレゼン10さらに続々】センター代表の佐藤和良さんが回答: 福島県の健康調査については、県民が不信感をもっていて非協力的なので、順調には進まない。別の調査も必要になる。

【高木基金プレゼン10、最後】河合代表より質問、援護法制定へのプロセスは? 菅澤さん回答:具体的制度設計の質をあげ、それからロビーイングに運びたい。


【高木基金プレゼン11】 前川盛治(泡瀬干潟を守る連絡会)「泡瀬干潟・浅海域での埋立工事による「濁り(SS)」「濁度(FTU)」の調査」 港湾工事の浚渫土砂の捨て場とリゾート開発のドッキングした異様なケース

【高木基金プレゼン11続き】 裁判で「経済的合理性なし」として原告住民が勝訴、これで計画は潰えたかと思いきや、民主党政権のどんでん返しで工事進んでいる。

【高木基金プレゼン11続々】沖縄市の新しい計画の問題点: 規模縮小したが、土地利用計画は旧案と大差ない。環境は保全されず、防災対策も無い。説明責任はたされていない。なぜ急ぐのか。もういちど裁判をおこす準備中。

【高木基金プレゼン11続々々】世界に誇る生物多様性の宝庫。新種も発見されたし、絶滅危惧種もたくさん。ラムサール登録湿地の候補でもある。ラムサールの9基準のうち4つをクリア(1つあれば登録できる)。

【高木基金プレゼン11続々々々】濁りと汚濁を調査し、異常あった場合はマスコミを通じて訴え、工事中止につなげたい。大沼委員からコメント:月1回のSS調査ではたして濁りを捉えられか? 沈降物トラップもあわせてするとよい。

【高木基金プレゼン11さらに続き】【高木基金プレゼン11続々々々々】 裁判(沖縄市に対して公金差し止め訴訟)の争点は大きく3つ: 経済合理性、環境保全、防災。新計画は(前の事業の縮小継続だとして)アセスをしていない。重要な問題ぜんぶ隠されている。裁判中も工事は進んでしまう。

【高木基金プレゼン11、最後】 山下博美選考委員コメント: 濁度を調べることが、裁判でどのように役に立つか、という点がわかりにくい。今後の発信で工夫を。

【高木基金プレゼン12】 再開します。三木由希子さん(情報公開クリアリングハウス)「福島第一原子力発電所事故に関する情報公開制度を利用した政府の持つ一次情報の収集・分析」

【高木基金プレゼン12続き】 情報公開をめぐって、過去に見てきたのと同じ景色が今回の原発事故で再現されていることに危機感をもった。後出し、公開もれ、ばれなければ隠される、といった光景。情報の垂れ流し、しかし、必要なときに必要なひとに必要な情報が届かない。

【高木基金プレゼン12続々々】影響が晩発的、事故収束も長期を要し、後始末に途方もなく時間かかる。長期的な事態で、今すべきことは何か。作成すべき文書を作らせること、廃棄させないこと、公開された情報の意味づけ・分析をおこない、長期的に活用できる情報として整理する(アーカイブ化)。

【高木基金プレゼン12続々々々】 誰がいつ、どのような責任で何をしているか、というのが見えない状況。公開請求でひとつひとつ客観的に検証していく。公開請求には、できるだけ地域でとりくんでほしい。地域での要請や提案活動に結びつけてほしい。

【高木基金プレゼン12続々々々々】ノウハウはワークショップを開いて伝授。えた情報を市民同士が共有する試みを。情報強者だけが被害を回避すればよい、ということではない。情報の有無による結果の格差を小さくしていく方向をめざす。
【高木基金プレゼン12さらに続き】 瀬川さん質問、情報公開制度ができてから議事録が作成されなくなった(あるいは簡素化されるようになった)という側面は?  三木さん回答:それはもちろんある。しかし、決定結果だけでなく、決定過程の記録を残すことが義務化されたことの意味は大きい。
【高木基金プレゼン12、最後】フロアよりコメント:不開示に不服申し立てはしているか? 議員は情報公開請求特権をもっているので最大限活用すべき。三木さん回答:申し立てはしていて成果もある。議員特権を利用するには議員にお願いしないといけない。市民が自主的に請求することが第一。

【高木基金プレゼン13】小野南海子さん(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン)「遺伝子組み換えナタネ自生調査 隠れGMナタネ及び交雑種の拡大調査」

【高木基金プレゼン13続き】輸入ナタネのこぼれ落ちでGM種が自生することは予期していたが、調べてみて、これほど汚染度が高いとは意外だった。調査対象地を増やして全国をカバーする必要が生じた。

【高木基金プレゼン13続々々】 検査キット(タンパク質判定)とPCR法(遺伝子検査)の二段構えで調べる。市民1000人規模の体制で北海道から鹿児島まで自主調査。47都道府県中15府県でGM種の自生を確認。港や工場周辺だけでなく、輸送経路、飼料工場、市街地でも。

【高木基金プレゼン13続々々々】 ブロッコリーや旗竿ガラしなどとの交雑も確認された。かなり汚染が進んでいるということ。ラウンドアップ耐性種(モンサント社のGMナタネ)とバスタ耐性種(バイエル社のGMナタネ)の交雑種も発見。

【高木基金プレゼン13続々々々々】 カルタヘナ国内法はできたが、国内自生問題になんの役にも立たない。日本政府は自生問題への危機感がとぼしい。私たちの調査は海外では高く評価されている。今年インドで開催されるカルタヘナ議定書会議(MOP6)の機会に報告する。

【高木基金プレゼン13続々々々々々】 フロアより質問、二段階検査で実態をどれくらい把握できるのか? 小野さん回答:PCR法は費用がかかるので、限界がある。一次検査で陰性だったのにPCRにまわしたら遺伝子はあった、というケースもある。

【高木基金プレゼン13さらに続き】 除草剤耐性遺伝子は、形質が発現しなくても継続していく。交雑が予想以上に広範に及んでいくことの環境問題としての深刻さを認識したい。 

【高木基金プレゼン13、最後】 大沼委員コメント: タンパク質抗体のキットは、それほど精度高くないので、漏れはある。外見で視認する余地は?── 小野回答:川田昌東先生なんかは怪しいのは見てわかる「ナタネ目」といってますけど(会場笑)

【高木基金プレゼン14】 土井麻記子さん(Atelier Motherly)「製鉄所由来の粉塵を解決するための保険調査及びリスクコミュニケーションの土台を作る」入居した千葉市のマンションのフローリングの汚れに疑問をもった。

【高木基金プレゼン14続き】 網戸にへばりつく粉塵を拭って回収。量を把握。Google Earth10キロ先の製鉄所の航空写真を見たら、粉体が野積みされている様子がわかった。石灰粉、鉄鉱石粉、石炭粉。風配図を作成してみたら、方向性顕著。

【高木基金プレゼン14続々々】 製鉄所は海岸から人工島へ移転し、跡地を千葉市は跡地を再開発し、ショッピングモールなどをつくった。周辺人口増えた。製鉄所周辺の37家庭からサンプリング。汚れのほか、目の激痛、咳、のど痛、もろもろの違和感。

【高木基金プレゼン14続々々々】粉塵をさける生活のためのパネル展を開催。「粉塵かるた」を紹介。市議に問題をとりあげてもらい、市環境局などに働きかけ。実は全国の製鉄所で起きている問題。千葉だけではなかった。市民・行政・企業の各セクターが情報共有しつつ取り組んでいかないと解決しない。

【高木基金プレゼン14続々々々々】 4月からの新たな調査計画: 飛散エリアでの体調データ、広域サンプリング(飛散エリアの特定)、健康チャート診断、リスク度合いを評価。

【高木基金プレゼン14続々々々々々】 中下裕子理事から質問、症状をきくとプラスチック微粒子の疑いもあるが? 土井さん回答:小さいが目に見えるサイズの粉塵が飛んできていることは確か。市の降下物調査とも照合。飛散エリアとの相関を見ていきたい。

【高木基金プレゼン14さらに続き】大沼委員コメント:水盤法でやるほうが定量的には確か。自動車排ガスなどの要因もあるかもしれない。 土井さん回答:各家のベランダの構造が違ったりするので、みんながやりやすい手法として網戸に注目。今後は大学の協力をえて、厳密な確認もとる。
【高木基金プレゼン15】 満田夏花さん(FoE Japan)「低線量被ばく回避のための調査研究および原発事故被害者救済政策の形成」事故後、20mSvの撤回運動、「避難の権利」要求運動を進めてきた。

【高木基金プレゼン15続き】避難したくても、地域や親族との関係でできない、話題にすることも憚られる、という福島での実情。「権利」であると明確に位置づけることが重要。チェルノブイリ汚染地での避難政策、とくに「選択的避難区域」の制度をモデルに福島のケースへの対応策を考える。
【高木基金プレゼン15続々々】運動のこれまでの成果:政府指示の避難区域外からの避難も正当な行為であることが原賠審などで認められた。自主避難の費用を東電に請求できるようになった。今の課題:賠償範囲と内容、自治体の支援制度(住居など)の期限、生活再建のための環境が不十分。

【高木基金プレゼン15続々々々】調査の目的は4つ。「避難の権利」「選択的避難区域」の必要性と論拠を明確にする。残留住民(とりわけ子供)の被ばく最小化の必要性を示す。現在の健康管理調査の問題点を明確にする。被害者救済のための包括的な法律をつくらせる。

【高木基金プレゼン15続々々々々】保養(短期避難)の取り組みは全国で進んでいる。個別事例の紹介、効果の整理、成果発信。福島県の健康調査はその政治性も問題であり、国際的なカウンター調査が必須。その体制作りに寄与したい。
【高木基金プレゼン15さらに続き】 仮称「原発事故被害者救済法」の基本枠組みを法律家グループとの協働でまとめ、法案作成。現地の現状を考えるとこれを急ぎたい。類似の議員立法案もあるが、選択的避難ための政策が含まれていない。

【高木基金プレゼン15さらに続々】 中下理事よりコメント、援護法の制定にむけては、運動の連携がもっと必要。今日プレゼンした他のグループの提案とも重複する部分がある。逆に、FoEでないとできないことをもっと明確にすることも求めたい。

【高木基金プレゼン15、最後】 満田さん回答:連携はもちろんしていく。ある案がそのまま法制化されることはないので、複数の案が収斂させていくプロセスが大事。もともと政策提言を得意とする団体なので、そこに力をいれたい。 

【高木基金プレゼン16】 吉田明子さん(eシフト/脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)「原発事故被害への対応と脱原発への方向転換を目指す政策提言と社会ムーブメントづくり」 昨年の緊急助成をうけたプログラムの継続です。

【高木基金プレゼン16続き】対話とMLでの発信、意見書提出、シンポ開催、抗議アクション、院内集会、議員署名あつめ、など展開してきた。山ほどある課題のうち、重点課題(1)事故被害状況の検証、被ばく最小化、避難疎開支援の拡大、補償要求。
【高木基金プレゼン16続々々】重点課題(2)東電による賠償問題、ワーキンググループを設置して、議員と勉強会で方策を探り中。重点課題(3)再稼働問題、各地の反対運動と連絡とりつつ東京で出来ることを明確にしていく。電力会社の主張への反証材料(数字の裏取りなど)の整理、市民に情報提供。

【高木基金プレゼン16続々々々】 重点課題(4)エネルギー政策見直しプロセスの監視と提言。総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会(経産省)での「エネルギー基本計画」見直し、内閣府原子力委員会での「原子力政策大綱」の見直し

【高木基金プレゼン16続々々々々】 重点課題(5)原発輸出政策の撤回を求める。JBICへの働きかけ。海外専門家を招いて議員むけ勉強会、メディアへの情報提供など。

【高木基金プレゼン16続々々々々々】 eシフトはネットワークなので、会議自体は月1くらい。多様なフィードバック方法を組み合わせて議員と市民の両方にむけて発信していきたい。

【高木基金プレゼン16さらに続き】 中下理事よりコメント: 新しくできる原子力規制庁のウォッチングを是非して! 一般市民にわかりにくい「地味な問題」をわかりやすく翻訳して発信することに努めてほしい。日弁連ともタイアップしましょうよ。

【高木基金プレゼン16さらに続々】吉田さん:原子力規制庁についてのワーキンググループを作りました! 中下理事:国会議員への働きかけをもっと強めて。瀬川さんコメント:防災指針・計画の見直しが進んでいる段階で、再稼働なんかありえない筈、この問題についても取り組んで。

【高木基金プレゼン16、最後】 細川コメント:防災の見直しでは、地方行政の現場の危機感は非常に大きいが、行政の人たちは立場上言えないことが多い。それを議員さんに伝えるような役割をeシフトが果たしてほしい。

【高木基金公開プレゼン】以上ですべてのプレゼンが終了しました。高木久仁子さん(高木基金事務局長)挨拶。市民の不安に応えるという市民科学者の役割が今ほど高まったことはない。さまざまな取り組みを支えていくのが市民のちから。今後ともご支援ぜひよろしく。

【高木基金】事務局の菅波完さんから選考経緯の補足。予算650万円の国内調査研究助成に675605万円の応募をいただいた。書類選考で242289万円に絞り込んだ。うち16件に今日プレゼンしてもらった。ほかに市民による放射能測定の応募が多数。それについては別途3月に研究会を開く。

【高木基金】以上で公開部分は終了。このあと、理事会で最終選考をします。結構バトルになるかも。ツイートはここまで。ツイートの文責は細川個人に属します。(^_^;)


  →  →  → 選考結果はこちら