2010年10月19日

【Nuke/Env】COP10で緊急記者会見



 2010年10月19日(火)名古屋国際会議場(生物多様性条約COP10の本会議場)3号館3階の国際会議室(COP10の公式記者会見がおこなわれる部屋)において、上関原発建設工事中止を求める共同記者会見(主催:Hiroshima-Kaminoseki Link および NoNukes Asia Forum)が開かれました。

 記者会見の録画は、こちらで見ることができます。 → http://bit.ly/cop10kaiken

 以下、当日、会見室よりライブ配信した連続ツイートを再録します。
(#タグは削除しました。また、誤字・誤記を修正しました。文責は、細川です。)

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 16:30 記者会見室にて「生物多様性ホットスポットを埋め立てて原発?」について、緊急記者会見が始まりました。浅海を守ることが海を守ることにつながるとCOP10で日本政府が言明している一方、浅海を埋め立てる原発建設工事が強行されようとしている。

 まず、「長島の自然を守る会」高島美登里さん。科学者とともに長年現地調査を続け、長島周辺海域がおどろくべき生物多様性の宝庫であることが判明した。日本の、というレベルではなく世界的に貴重で重要な動物の数々。生態学者たちは「奇跡の海」として注目。

 そのような生物多様性の宝庫、奇跡の海が、原発建設のためにまさに埋め立てられようとしている。しかも、生物多様性をどう守り生かすかを話し合うCOP10が開催されている時期に工事が強行されようとしていることを、世界の方々に知っていただきたい。以上、高島さん。

 次に、日本鳥学会の西海(にしうみ)功さん。カンムリウミスズメ、オオミズナギドリ、カンムリカラスなど、絶滅危惧種の存在の意義について。生態学会、ベントス学会などと調査情報を共有し、この水域の保全上の重要性を確信。浅海を守ることが、海全体を守ることというのが今日の科学的認識。

 発電所建設にあたって、事前調査はまったく不十分。アセスメントのやりなおしが必要。以上、西海さん。【参考:朝日新聞2010年1月12日の記事

 3番目、広島市民の湯浅正惠さん。ヘラルドトリビューン紙に上関原発建設工事の中止を求める意見広告を載せるプロジェクトを始めたら、たちまち100人以上の人から賛同があった。

 最終的には500人以上の人が賛同して寄付金を寄せてくれた。10月18日のアジア太平洋版の第3面(国際面)の下3分の1のスペースに、目立つ意見広告を載せることができた。もう掲載できたので、お金を送るなと言っても、寄付はいまでも次々と入金されてくるので、来週のCOP10閣僚協議にむけて、もう1回、意見広告を掲載することにした。【追記: 10月26日のJapan Times 第3面に掲載された。】

 COP10むけに工事中止を求める共同声明を呼びかけたところ、世界からたちまち293団体から賛同の声が寄せられた【会見で配布した資料には「239団体」とあるが、これは間違い。】。これだけの危機感があることをあらためて意識させられた。

 4人目、東京・高尾山を守る活動にとりくむ坂田昌子さん(虔十の会代表)。COP10開催中に「奇跡の海」をつぶす工事が始まるという事実に衝撃を受ける。このような工事を追認したら、日本政府の生物多様性保全への取り組みの信頼性が大きく損なわれる。

 若い人のあいだでも危機感が出ている。豊かな海がなくなる時代で自分たちは豊に生きられるのか? 今日ここには、上関・祝島からCOP10会場まで1ヶ月半かけて歩いて来て、そして今は会場隣りで抗議のハンスト(4日め)をしている若者も来ている。それほどの危機感を抱く人がけして少なくないことを電力会社も政府も認識すべきだ。

 朝日新聞記者から質問、共同声明に賛同した海外団体の数の確認。239ではなく正しくは293、14ヶ国。17時に会見終了、ロビーに出て、共同通信、Japan Times、その他のメディアからの取材あり。

 会見の司会は、こうちまきおさん、通訳はアイリーン美穂子スミスさん。湯浅さんは英語で話した。

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 ほんまに緊急というか性急に設定した記者会見だったので、30人ほどの参加(うち半分くらいは関係者)、メディアは6社くらい。海外メディアは2社かな? でも、ここからじわじわと拡散していくことを期待。みなさま、ごくろうさま! /連続ツイートおしまい

 記者会見場の確保にご尽力くださったCBD市民ネットのメディア担当 今井麻希子さん、そして、会見時間の調整や録画の手配などにご尽力くださった生物多様性条約事務局(SCBD)のインフォメーションオフィサー David Ainsworth さんにあらためて御礼もうしあげます。



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