映画『カンタ!ティモール』
上映&トーク&ミニライブ
2012年7月14日(土)
於:京都精華大 対峰館 T-109
会場から中継ツイートしましたが、その後、事実関係について少し訂正・加筆したので、ここにあらためてアップしておきます(文責・細川)。お気づきのことありましたら、お知らせくださいませ。
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【更新履歴】
7月21日 リンク設定のエラーにつき、短縮リンクを変更
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(1)上映 13:10-15:00
- 独立式典にソウルフラワーユニオンが出演するので、そのお手伝いで、東ティモールを初めて訪れた。大学を出てすぐの時だった。映画に出てきたアレックスもそのとき出あった。
- 再訪のとき、住所もわからず、そもそもアレックスは家が無かったのであえるかどうか。東ティモールは「家族なん人?」ときくと「368人!」とか答がくるところなので、人づてに辿りつけた。
- ビザがぎりぎり切れるまで300時間くらい撮影して、この映画の素材になった。おカネなくて、ミニDVテープを使った。兄の仕事場の使いまわしのテープをもらったりして!
- フルに3ヶ月滞在してホテルに一泊もしてない。行く先々で泊めてもらった。インタビューを受けてくれた人が次のシーンでは通訳をやってくれたり、機材もってくれたり、ほんとにあたたかい国。編集も未経験、マックとウィンドウの違いも知らなかった私たちが手探りで。
- 言葉の種類もたくさんあるし、歌ではスラングも多いし、歌詞を理解するまで時間かかった。独立のとき、ジャングルで戦う人も重要だったが、世界に出て現状を訴える人たちが大きな役割を果たした。
- スピーキング・ツアー、少しでも東ティモールのことに耳を傾けてくれる人がいたら感謝したい、という村のおばあさんの言葉を、若い人たちが世界各地を回って伝えた。対話で独立をめざすという哲学。武力では圧倒的な差。
- ティモール島の東と西で争ったのではなく、インドネシアという大国と東ティモールという小さな国の闘い。きのう7/13関電前の再稼働反対のアクションに参加してきたときにも思ったが、東ティモールの非暴力の精神から学んだものはほんとに大きい。
- 歌のちからも大きい。一晩でも軍が遠ざかる夜があれば輪になって踊ったという。命にかかわる音楽のちから。森の妖怪ルリックの存在感も大きい。入ったら帰ってこれなくなるよ、といった注意も受けた。森がリスペクトされている世界。
- 沼にも妖怪がいて、こないだも韓国の人が沈んで出てこなかった!なんて話されて、え=?!となったり。独立運動にこういった目に見えないちからが効いていた。映画のなかのシャナナのインタビューでも話題になってた。【シャナナ・グスマン大統領(当時;現在は首相)】
- こういった事柄を聞くのに、英語を介した通訳ではなかなかうまくいかないので、観念して現地の言葉の勉強を始めた。東ティモール独立の闘いは武力では勝負にならないのは明らかだったので、戦略重視、言葉の訴えに重きをおいた。これは軍事リーダーも最初から言っていた。
- 仲間どうしでも言葉での表現、それを伝えることをとても大切に。それと自然信仰の強さ。怒りを持ち続けると、自分の体を蝕むので流しなさい、と言われる。相手を赦すのは自分のため。
(3)東ティモールからのゲスト、ジュジュさん
── 広田さんによる紹介: 私も今日はじめて会います。ディリで生まれ育った。お母さんはエルメラ、お父さんはオッスのご出身。どちらも美しい山間地。
ジュジュさん(京都大学大学院で研修中):
- みなさん、この映画みてもらって、良かった。歌の重要さや、ルリックのことも出てきて。ルリックは独立闘争の一部を担っていた。インドネシアとの闘いだけでなく、ポルトガル人による植民地化との闘いでも、大地のちからがティモール人の支えだった。
- 私たちは、いつでも歌う。よろこび、団結、大地、牛を追うとき、田んぼやるとき、布を織るとき、いつも歌う。死んだ人とともにあるため、生きてる苦しみを抜け出すため。
- 独立のたたかいで山に入って、山のちからを借りることになった。独立した後もそれを大事にする。
(4)フロアとの質疑応答
Q:友人からこの映画を薦められて見に来た。見て、ほんとうに良かった。歌も良かった。映画のなかで都市でのデモの場面でカバンとかものが飛んでいるシーンが、どういうことか分からなかった。
── A(ジュジュさん):ジャカルタの外務省前での東ティモール人の抗議行動の場面。押し出されたとき、みんな持ち物を落として、それを警察がぽんぽんと投げてよこした。そういう場面。
Q:上映はどうしたらよいですか。
── A(広田さん):暗く出来る部屋と音響設備があるところだったら、参加者ひとり500円という設定で開いていただけます【→申込み こちら 】。配給会社と契約することも検討したが、東ティモール人のスピーキング・ツアーのようなやり方を続けることに意義があると思い、口コミで招いてもらうような細々とした方法をとってます。ぜひ伝えてください。
Q:とても若いときに取り組みを始めて、現地で話をきくのはどうでした?
── A(広田さん):各地でインタビューをして回ったとき、辛い話もたくさん。映画にいれてない酷い話もたくさん。女性が被害を悪夢で見る話など。戸を固く閉ざさないと聞けない、という感じだった。あるとき、道で穴に落ちそうになって、居合わせた人に救ってもらい、「ありがとう、ありがとう」と御礼いって、そのあと、どっと涙が出てきてしまい、思い切り泣いた。こんなに助け合い、やさしい人たちが親兄弟を殺される体験してきたんだと、胸が一杯になってしまった。でも思い切り泣いたことで、その後、インタビューを続けることができるようになった。東ティモールの人から、恨みとかネガティブなこと、ほとんど聞かない。本当に愛に満ちた文化。
Q:なぜ怒りを手放すことが出来たのか?
A:(ジュジュさん)まず怒りを持ち続けることは体に悪い。日本と較べて、東ティモールの家族はとても大きい。いつも近くで関わり合い言葉をかけあうことで、怒りを手放せるのだと思う。
Q:東ティモールは日本をどう見てる?
── A(広田さん):感情的な反日というのは無い。けど、日本人と日本政府はきっちり区別されている。日本政府の過去と現在の対応には、厳しい批判がある。今年決まった円借款には反対の声も多い。
── A(ジュジュさん):ティモールの人たちは過去を見るのが嫌い。過去にインドネシアの侵略を支援したのは日本だけでなく、オーストラリアとか米国もそうだった。そういった過去で、現在の日本との関係を縛りたくない。日本の印象は、やはり「勤勉」。広島・長崎の惨状から復興したというのは東ティモールにとって心強い。津波からの復興の様子にも印象を受ける。日本の人はほんとにいい人たち。
(5)16:20- SADAM(小向定さん)のミニライブ
- まず、アレックスが作った歌から。(とても柔らかくあたたか。。。)
- 2曲め、映画のテーマ曲。オー マルチーナ、オー ウルチーナ、星降る島に、夜が明ける。
- ジュジュさん、実は日本語けっこう話せます。サダム「なんだ、それなら苦労してテトゥン語の通訳しなくてよかったのに、言ってよ=!」ww
- ジュジュさんが「みんなで踊りましょう」。サダムが参加者にマラカスと太鼓わたして、やっぱここは「テペ」群舞でしょうと。ジュジュさんのステップを見よう見真似。サダムの歌にジュジュさんが高いカウンターを見事に!オ〜ヘレレー、オ〜ヘレラー!
- 3曲テペして(みんな汗だく!)、上映会&トーク 16:50 めでたく終了。
- 参加者30名強。去りがたく会場のあちこち、話の輪。
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