2012年6月30日

【Indig/Nuke】連続シンポ「核と先住民族」2012



シンポジウム「核と先住民族」

明治学院大学(白金キャンパス)2号館2101教室
2012年6月30日(土) 13:30-17:30

【共催団体】


【パネリスト】
豊崎 博光(フォトジャーナリスト)
玉山 ともよ(総合研究大学院大学)
細川 弘明(アジア太平洋資料センター/京都精華大学)
満田 夏花(FoE Japan

木村 真希子(市民外交センター)
田辺 有輝(「環境・持続社会」研究センター(JACSES)

【司会】 
越田 清和(明治学院大学 国際平和研究所)


以下、パネリストのひとりである細川の当日のメモを暫定公開します。
 ── 各報告の完全な要約ではありません。とびとびのノートです。細川の聞き違いや誤解が含まれている恐れあり。
 ── 現時点で、まだ他のパネリストのチェックをへていませんので、今後、部分的に加筆や訂正があるであろうことを前提に、ご笑覧いただければ幸いです。
【文責・細川弘明】

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【更新記録】
7月12日: 玉山さんからの要請により、第2報告のメモを2箇所修正。

 当日、司会をつとめて下さった越田清和さんは、このシンポジウムの後、秋に食道がんを再発され、2013年2月5日に逝去されました。享年57、あまりに早く、呆然とします。越田さんとは、先住民族の10年市民連絡会、アジア太平洋資料センター(PARC)、No Nukes Asia Forum などの活動をともにしました。ご冥福をお祈りします。 (細川 拝)
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13:30 開始
・主催者挨拶 伊藤文美さん(先住民族の10年市民連絡会)
・ホスト挨拶 勝俣誠さん(明治学院大国際平和研究所)
・配布資料の確認・説明(伊藤さん)
・司会進行=越田清和さん(明治学院大国際平和研究所)


【第1報告】13:45-14:10
豊崎博光「日本と世界の先住民族の核被害」

  • 日本人の被曝のかげに必ず先住民族の被曝がある。広島・長崎の原爆のウラン ── おもにカナダのエルドラド鉱山(先住民族デネが運搬労働)と旧ベルギー領コンゴのシンコローベ鉱山(地元住民が採掘労働)
  • エルドラド鉱山の近くのグレイト・ベア湖(デネの居住地)に鉱山廃棄物の大量投棄 → 住民の健康被害
  • 広島原爆、オークリッジで生産されたHEU、先住民族チェロキーの隣接地
  • 長崎原爆のプルトニウム、ハンフォード居留地(先住民族ヤカマの居住地)のなかのB炉で生産
  • 第5福竜丸の被爆(ビキニ、ブラボー実験)、多くのロンゲラップ島民が重篤な被曝、日本の「原水爆禁止運動」の高まりのなかで、島民に思いが寄せられることはなかった。認識が少しもてたのは、ようやく80年代(フランス核実験に対する太平洋島民の反核運動によって、やっと気づかされた)。
  • 70年8月にはじめて原水禁世界大会(in広島長崎)に参加したマーシャル島民は、日本の被爆者が手篤い医療支援をうけていることに愕然、自分たちは何の救援もされてこなかった!
  • 日本人は「核の被害者」としてのみ自らを位置づけてきた。その裏側を見ようとしなかった。その視野の狭さのつけが福島。
  • 福島の放射能汚染水、3年後には南太平洋にも回っていく(気象庁予測)。非核地域を実現した南太平洋に放射能を流し込んでしまう。
  • 北極圏にも放射能飛ばしてしまった。
  • 日本がいまウランをもっとも沢山買っている国は、カザフスタン(豪州をぬいて、第1位)。東部のアルタイ地域。ロプノール核実験場の風下地域。日本が原発を続けると、この地域の人々が引き続き被曝する。
  • 「核と先住民族」というとき、日本の核被害・核開発と密接につながっていることをふまえ、真剣に考えないといけない。世界にメッセージを発信するだけではもう不十分。どう行動するかが問われる。
  • 「核被害」というと、健康被害のことしか注目されない(eg ガンになるか/ならないか)。しかし、暮らしが変えられる、あるいはそこに住めなくなる、ということが先住民族にとっては重大なダメージ。移住を余儀なくされ、文化を奪われる。食生活・文化・伝統が成り立たなくなる。コミュニティが崩壊する。「放射能被害」だけを見ると、そういった側面が見えなくなる。しかし、福島の避難民を見れば、生活と共同体の崩壊がいかに人間にとって苛酷なことであるか、少しは想像できる筈。
  • ロンゲラップ島民、移住先では自由に漁ができない、ヤシ採取ができない(土地の主人でないため)、それらに関する技法や言葉が失われていく。
  • ビキニは真っ平らな島で、徹底除染をもう3回やっているけれど、まだ人は住めない。日本の山や森が除染できるのか?
  • 越田補足: カナダのデネ地区は「原子力ルネッサンス」で再度、採掘されようとしている。


【第2報告】14:10-14:45
玉山ともよ「米国南西部の先住民族とウラン開発」
  • 学生時代、大阪の天ぷら屋でバイトしていて、そこのオーナーが『ホピの予言』の上映会をやったり、デニス・バンクスを紹介されて、米国でのSacred Runに参加したり。後年、米国留学し「環境正義」の勉強をして、先住民族の環境運動とも関わった。
  • グランツ・ミネラルベルト(ニューメキシコ州)旧ウラン廃坑や廃棄物放棄地が集中。放射能汚染と重金属汚染。先住民族の居住圏に隣接。
  • ナヴァホの伝統家屋ホーガン、残土を材料に転用、被曝が続く要因に。
  • 米国先住民族からの土地の略奪3法=ホームステッド法(1862-1986)、鉱山法(1872-現存)、ドーズ法(1887-1934)
  • 合州国の被曝者補償法(RECA)では、被曝は十分に補償されない。ウラン鉱夫は「肺疾患」を中心に補償を受けることはできるが、指定疾患以外の(被曝に起因するとみられる)病気は対象外。また地下鉱山労働者は2000年まで補償されなかった。
  • 2000年以降、グランツ・ミネラルベルトでウラン再開発ラッシュ、ウラン価格急騰。福島後、暴落したが、「再稼働」でまた価格があがる( → 採掘をうながす)。
  • 開発賛成派の主張:経済・雇用 ← 一時の利益のために後に残される汚染と処理費用が膨大。以前の開発で後始末ができなかったのに、今度はできるというのか?(開発派は、以前の採掘による汚染の除去の費用もつける、ということを再開発の「メリット」としている)。
  • 先住民族は「規制と協議」を求める。開発派は「規制緩和」「協議しつつ開発続行」という態度。海外の投資家は「先住民族はカントリーリスク」と見なす。
  • しかし、先住民族にとっては「生存のための闘い」それを投資家は「投資リスク」としか見ない。
  • 先住民族と主権: 2005年 Navaho Nation、保留地内でのウラン関連操業を禁止(法律的には25年間モラトリアム)「ナヴァホ天然資源保護法」 ── デネの fundamental law にもとづき、地下資源開発を戒めた。当然、ウラン関連企業からの royalties 収入をあきらめた。だが、石炭開発からの歳入は確保するというのがナバホ先住民族政府の方針。デザートロック石炭開発(地下水の過剰採取、大気汚染)、ナバホ発電所の維持。
  • 「先住民族政府の決定はいかなるものでも尊重されるべきである」という indigenous sovereignty をナバホ政府は主張。「環境運動は白人主体である」と、環境レイシズムを逆手にとった主張。
  • ウラン再開発に反対する先住民族系住民の多くは石炭開発にも反対、部族政府はその民意を反映していない。
  • 民衆を分断するのに、人種差別/環境正義が利用される。
  • 主権(sovereignty)自体、上に乗るものが自由に下々へ行使できる権利で、下々(民衆)にもともと具わっていない。「主権」は生得的ではなく、民衆が闘い獲得するもの。
  • 乾燥地帯における地下資源採掘と水の問題、ISLのことなど ── 時間ないので省略(配布論文を参照)
  • 日本のウラン権益確保政策、JOGMECの助成金。ロカホンダ鉱山開発計画では、助成金の目的事業である探鉱活動はあまりされていない(以前の会社がすでにやっていた)。
  • テーラー山でウラン開発がもたらしたもの → 住民間、コミュニティー間の激しい論争、ヘイトクライムの増加。こういったことが日本からの公的支援によって発生している。福島後もこの助成金は減っていない。
  • 資源エネ庁の「海外鉱物資源確保ワンストップ体制」、国民の目がゆきとどかないところで大盤振る舞い、インフラ輸出として原発をセールスするためのパッケージを公的資金で支えている。
  • 福島の被災者、土地と自分たちの生が深く結びついていたということを認識。
  • 原発輸出はインフラ輸出ではなく、植民地支配を輸出すること!
  • 環境正義の観点から、市民の監視・参加が不可欠。


(休憩)14:45-15:00

15:00-15:15 短篇映画Out of site, out of mine上映


【第3報告】15:15-15:55
細川弘明「ウラン採掘の現場から」

(自分のプレゼンなので、メモとれず。主な論点のみ列挙)
  • 核燃サイクル図で、探鉱汚染のこと、採掘と製錬にともなう水のことは見落とされてきた。
  • マウンドスプリングスの事例、泉が枯れることの環境的意味と文化的意味
  • ウラン・ピークの時代にはいって起きつつあること ── ウラン資源が限界に近づくにつれ、品位(ウラン濃度)の低い鉱床まで掘るようになってきた。鉱山の環境負荷は増大するが、価格は上昇するので、これまで以上に無茶な開発が進められる。

(時間切れで、用意した半分もお話できず(-_-;) もう少しさくさくと話すべきと反省)
※ 当日用意してあったスライドは ☞ こちら 【縮刷版PDF】



【第4報告】15:55-16:25
満田夏花「日本の原発輸出 ── ベトナムの事例」

  • 原子力を「国産エネルギー」「CO2を出さないクリーンな」と言い続けてきた日本、それを許してしまった私たち。
  • 3.11は本当にショック、FoEのなかでも議論をして、子どもの被ばく低減や避難支援を中心に取り組んできた。
  • 福島の人たちと土地のつながりを知ることで、都会の人間が見落としがちな日本の native 性に考えさせられた。
  • 福島の苦しみは、それなりに報道されるようになってきた。また議論をすることも、市民が声をあげることも、何とかできる。だが、そうでない国もある。たとえば、ベトナム。そういう国に原発を輸出しようという動き。
  • ベトナムの成長・発展はすごい。しかし、言論の自由はない。国家が決めた事業に反対はしにくい。
  • そのような状況にあって、驚くべきことに、ベトナムで「日本の原発協力の中止」を求める署名運動がおこった。日本政府に対し、ベトナム原発建設支援は「無責任、非人道的、不道徳」と抗議。署名の呼びかけ人(グエン・タン・ズン氏)への政治的圧力、ブログ記事も削除を強いられた( → 別サイトで復活)。
  • 日本からの対応署名運動、日本政府には「批判への返事をすること、原発協力をやめること」、ベトナム政府には「弾圧をやめるように」求める。 → しかし、外国の団体からの支援があることが目立つと、弾圧の口実に使われる怖れもあり、ベトナム政府への要請は見合わせている。
  • 建設予定地(ニントゥアン省、ファンラン市の南に第一原発、北に第二原発)、第一はロシア、第二は日本が輸出。
  • ベトナム政府の電源開発マスタープラン、右肩あがりの需要増、発電力増強、それをJICAが支援するという愚。
  • 二国間クレジット制度(排出権取引)、パイロットプロジェクト事業、ベトナム原発もこの枠組みで位置づけ。
  • 日越合意(F/Sの実施、低利融資、廃棄物処理支援、etc)。廃棄物どうするつもりなのか、経産省は明言しない。
  • 少数民族チャム族もいる地域。汚職・腐敗はびこっている。全国が過開発の状況下、強制移住や汚染など、問題続出。
  • ベトナム電力セクター(水力・火力・送電設備 etc)への日本のODA集中投資(4000億円)、大量消費を促進するODAでよいのか。
  • 原発計画地点の状況。風光明媚! それなりに安定して豊かな農漁業をいとなむ地域。ブドウ、ニンニク、コーヒーなど特産品もある。観光もさかん、欧米人旅行客も。アオウミガメの保護区もある。塩田もある。貧しい地域ではない。原発を誘致してよいことは、地元住民にとっては無い。移転を強いられる。「国家事業なので仕方が無い」「しっかりした補償が欲しい」という受け止め。福島事故による被災状況は知られていない。
  • 第一原発(ロシアから輸出)の地元リーダー曰く「日本では原発の近くに人が住んでいるのを見て安心した」(2010年夏視察)、「事故は天災、技術のせいではない」。
  • 国際協力銀行(JBIC)の融資。環境ガイドラインに抵触するのでは? 原発固有の問題に対する審査体制は無い。「原発指針」をつくる、という日本政府の回答(国会質疑)だが、既存の環境ガイドラインも満たしていない。
  • 日本は「安全神話」と「福島の苦悩」もあわせて輸出しようとしているのではないか。そこに乗っかってビジネスをすることが許されるのか?



(休憩) 16:25-16:35


【コメント その1】
田辺有輝(JACSES)

  • グローバルな生活格差、地元の人が声をあげられない場所(民主主義が機能していない場所)が狙われる。
  • ヨルダンへの原発輸出、先日、国会で中断決議。建設とともに廃棄物処理の問題、
  • 原発は核戦略と切って切り離せない。米国の動き、30年ぶりに原発新設認可、日本企業と組んで進める動き、核戦略とのつながりは?
  • 公的資金の切り口にどう取り組んでいくか。「原子力協定」(ベトナム、ヨルダンについては国会承認されてしまった)が重要。これから、インド、モンゴル、承認させないよう取り組みたい。

【コメント その2】
木村真希子(市民外交センター)

  • インドの原発増設の動き強い。市民運動は強い(「世界最大の民主主義国」!)が、この問題には対応できていないし、情報も公開されていない。少数民族地域に負担。核実験場も先住民族地域。
  • 先住民族と「主権」の問題(玉山発表)、民意が必ずしも反映されない形になってしまうのはなぜ? 慣習法尊重という「見せかけの主権」で、実質的には開発を進めてしまうという様態が世界中で見られる。
  • オーストラリアのように先住民族土地権が世界でもっとも進んだ国でなぜ、ああいうことがおきるのか。改善するには何が必要か。
  • 原発については、事故リスクに注意が行きがちだが、それ以外の構造的側面にも目を。


パネルディスカッション & 質疑応答

(コメンテーター2名からの質問、質問紙で回収した質問、およびフロアから直接発言のあった質問やコメント; ひとつの質問に複数のパネリストが答えたものもあり、以下は必ずしも実際の発言順ではなく、質問項目ごとに整序した。ここに記録されていない質疑や意見も含め、かなり活発なやりとりがあった。お名前の分からない発言者の方、ごめんなさい。)


Q: マーシャル諸島はなぜ核廃棄物処分を受け入れようとしたのか?
 ── 豊崎回答: マーシャルの初代大統領が廃棄物処分場とすることを提案したとされているが、しかし実際は日本政府から持ちかけた(実験場ですでに汚れたのだからそれを利用すればよい、という論法)。今も、福島の放射性がれきを引き受ける島を日本政府は懸命に探している。核被害のサイクルは全部、先住民族から始まって先住民族に終わっている。


(木村の問い:先住民族の「みせかけの主権」について)
 ── 玉山回答:(部族政府などの形で保障されているのは)みせかけの主権。先住民族の意見・態度は多様。ウラン採掘大賛成の人もいる。一枚岩ではない。同じ人も時々に使い分ける。先住民族のなかでも「主権」のあり方は揺れている。先住民族のイメージの外部からの押しつけもある。多様な人々の協力でネットワークで対抗していくしかない。


(木村の問い:オーストラリアのように先住民族の権利保障が進んだ国でなぜウラン採掘が進むのか?)
 ── 細川回答: 先住民族の権利保障が進むと交渉のテーブルに就くことを断れなくなるという側面もある。権利復活といっても、先住民族の伝統文化の文脈そのままで権利が行使できるようになるわけではない。むしろ、主流社会(欧米的体制)の土俵にのせられることで、開発の調整が進んでしまう。


Q: 輸出キャンセルのシナリオは? 東電が「原発輸出」から撤退との最近のニュースはどう見る?
 ── 満田回答:(■ごめんなさい、ちょっと混乱してメモできず。)


Q: 核推進派に対して、有効な論理を模索する必要がある。知のパラダイム大転換以外にないのでは?
 ── 玉山回答: 責任というものをどう考えるかにかかっている。「知の転換」については、ボリビアで開かれたMother Earth会議の声明などに学ぶことができる筈。
 ── 細川回答:「自分の金でやれ」ということを徹底させる。兵器も原発も、核は金がかかる。公的資金を注入仕組みがないと成り立たない。市場経済の論理で潰えさせるのが一番確実。
 ── 満田補足: やはり公的資金のブロックが有効、難しいのはベトナム側でベトナム人自身による反対の声をあげられるような状況をどうつくるか(政治的リスクが大きいので困難だが、情報提供は続けていきたい)。日本国内できっぱり脱原発を達成することが、世界に対する一番明確なメッセージ。政府は、国内と国外の使い分けに走るかも知れない。福島後も原発を続けようとする理由は、技術保持と利権保持。


Q: オーストラリアで核廃棄物処分場として先住民族の土地が選ばれているのか?
 ── 細川回答: マラリンガから強制移住させられた人々の移住先の村の近くで日本の動燃がウラン試掘をし、それが不調に終わると、そこが国際廃棄物処分場の候補地にされた。計画には日本の原子力村の工学者も深く関わっている。この計画はいったん頓挫しているが、ほかの処分場候補地も先住民族の居住地の近くが選ばれていて、社会問題化している。核被害のサイクルは先住民族に始まり先住民族に終わるという豊崎さんの指摘は、まったくその通り。


Q(市川次郎さん):「沖縄の土地権」による米軍基地返還の可能性は?
 ── 細川回答: 先住民族土地権は共有権なので、米軍基地の個人地主の土地権と性質が違う。地主さんがみな共有権に転じようとするのであれば、可能かもしれない(しかし、沖縄人以外の不在地主が多い ...)。


Q(田中常世さん): 廃棄物の処分場選定、米国では? 
── 玉山回答:ユッカマウンテン計画が頓挫した後も、別の先住民族の土地(メスカレーロ・アパッチなど)が候補地にされている。


Q(ロニ・アレキサンダーさん):「防災」「安全」 すべてが軍事化されてきている。先住民族も軍事化のしくみのなかに最初からとりこまれているのでは?
 ── 細川回答:「原発防災」計画は、まともに立てようとしたら、かなり軍事統制的なものにせざるをえない。存在するリスクを除去しないで向かい合おうとすると、高木仁三郎のいった「プルトニウム社会」にならざるをえない。
 ── 豊崎回答: 軍事的な人体実験の対象に先住民族が使われている例は多い。ペルー高地での人体実験、低地ではヤノマムの人体実験(放射線耐性)、核兵器をさまざまな環境で使用するケースを想定。
 ── 玉山回答: Winona LaDuke(先住民族女性運動家)が先住民族の軍事化について本を書いてます。


Q(年輩男性): 先住民族の意見・考えの多様性、施政者の勝手で移動させられてきたことと関係は? 居場所を信じられない不安があるのでは?
 ── 玉山回答: 移動させられても故地への思いは強く継続している。


ベトナム人女性: 日本人のテクノロジーは尊敬している。しかし、原発の問題は世界の安全にかかわる。ベトナム人のことだけ考えて決められない。世界のために「やめる」ということを言いたい。


田辺: 資源採掘と先住民族は密接。私たちの消費生活とも不可分に結びついている。


17:50 終了

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