お茶の水書房から、出来たてほやほやの『ラディカル・オーラル・ヒストリー』が送られてきた。5月に亡くなった保苅実くんの遺作となってしまった本だ。
●保苅 実(2004)『ラディカル・オーラル・ヒストリー ── オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』御茶の水書房 2,200円
この本の出版準備の最後の最後になって、保苅くんの作りかけの図版の仕上げをお手伝いすることになった。でも、編集者とのメール・電話・ファックスでのやりとりでは、詰めの甘いところもあって、結局、いくつかミスが残ってしまった。
図版8で「バルンガ(バミラ)」とあるのは、正しくは「バルンガ(バミリ)」です。現在のコミュニティの名前はBamilyi(旧名Barunga)。土地権運動で有名なバルンガ宣言の村だ。保苅くんがそのことにふれて書いているので、図版には「旧地名(現在の地名)」という形で載せることになった。
図版9の Hooker Creek自治区は、現在は Lajamanu に正式に名前が変わっている。
保苅くんらしい批判精神とポジティブな姿勢とが、ちょっと照れながらも同居している感じの作品だと思う。皆さんもぜひ手にとって見てほしい。
「保苅実記念奨学金」については
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http://www.hokariminoru.org/j/scholarship-j/scholarship2_biography-j.html
保苅くんのメモリアル・サイトは
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