2004年9月7日

【Abs/Nuke】 アボリジニーの先住権訴訟、ウラン開発ほか

 8月はアボリジニー関連のニュースが多かった。ちゃんとニュース発信できていないが、取り急ぎ、いくつかメモ:

●ビクトリア州議会で、アボリジニーがビクトリア植民地成立(1854年)の時点での先住者であり、custodians of the land「土地の守人」であったこと、彼らの土地および水域(川や湖沼や海のこと)と「精神的・社会的・文化的および経済的な関係をもっていたこと」を州の憲法に明記する法案(州政府案)が提出された(8/26)。法案では、現代においてもビクトリア州のアボリジニーの人々が「オーストラリアの最初の人々の子孫として独自の地位をもつ」と州憲法に明記することが提案されている。可決される可能性が高いが、そうなれば、オーストラリアではじめて州憲法に先住民族の地位を明記した州になる。

●アボリジニーの先住権訴訟としても有数の規模をもつワンジナ訴訟 Wanjina claim (西オーストラリア州北部、キンバリー地方)の判決(8/27)。アボリジニー側、勝訴だ。ざっと北海道の面積に近い広汎な地域での先住権原(native title)の存在が認定され、鉱山開発にあたっての交渉権や、儀礼のための土地立ち入り権、有名なワンジナ岩絵群を観光開発から守る権利などがこれで法的に確立することになる。 1986年に初めてモワンジュム Mowanjum の村を訪れたときに、人々が語っていた希望がようやく形になったと思うと、感慨をおぼえる。小生がそのとき言葉をかわした長老たちの多くは鬼籍に入ってしまったのだが。

●『ジャビルカ通信』で何度もお伝えしてきた南オーストラリア州での核廃棄物処分場の立地案を連邦政府が断念。根強く抵抗してきたクーバ・ペディ Coober Peddy のアボリジニーにとっては朗報だが、たちまち、北部準州(Northern Territory)での代替地探しの動きが活発になってきた。NTでアボリジニーと関わらない立地点を探すことなど不可能。また当分、目が離せない。

●レンジャー鉱山 Ranger Uranium Mine は度重なる汚染事故で管理責任をとわれ、現在、操業停止中。会社側は、来週あたりから操業再開したい意向らしいが、どうなるか。来月(だっけ?)の総選挙でもし労働党が政権を取り戻すと、レンジャー鉱山からのウラン輸出許可の取り消し(ないし一時凍結)というシナリオが現実性を帯びてくる。


『ジャビルカ通信』のバックナンバーは、下記サイトにて:
http://SaveKakadu.org


... ここ数日、ちょいと事情あって、食事制限管理下にあり、どうにも意識がしゃきっとしません。ふらふらでございます。予定通り明日の午後で検査が終われば、夜から食うぞ!