15日から大野和興さんを迎えて集中講義「日本の農を考える」を小生の職場である京都精華大学でしていただいている。毎晩のように、学生たちを交えて、大野さんと杯をかわしつつ、いろいろお話をうかがえるのが嬉しい。
小生のゼミに、「土の売買」をテーマにして調査演習(※)を始めている学生がいるのだが、昨晩、大野さんから教えてもらったところ、ハウス農家は土を買わないとならない、というので、おどろいた。昔のような小規模のビニールテントを随時移動させる方式から、大型の固定設備としてのビニールハウスが主流となった現在では、ハウス内の土の塩性化が問題なんだという。
説明をきいて、なるほどと思う。ハウス内は雨がふらない。だから人為的に散水する。そうするとどんどん地中の塩分が(毛細管現象で)あがってくる。雨がふれば、それが流されて、過度の塩性化には至らないのだが、ハウス内では、どんどん土壌塩分が濃くなってしまう。そこで、ときどき土をいれかえてやらないといけないのだそうだ。その土を買う。全国のハウスの数を考えると、はんぱな量ではない。
さて、その土、どこから、誰が運んでくるのか。
※京都精華大学独自の(非常識な?)カリキュラムである「調査演習」については:
http://www.kyoto-seika.ac.jp/jinbun/kankyo/class/2003/research/index.html