2005年1月19日

【Indig】サハリン続報

先住民族ニュース(57)

前便で配信したサハリンでの先住民族による道路封鎖行動の続報です。


ロシア政府と多国籍石油会社(と裏でこそこそ立ち回る日本政府と日本企業)による開発強行に抗議し、サハリン北方先住民族が明日から本格的な道路封鎖に。

以下、FoE-Japanの村上 正子さんからのメールをもとに、いたちまる流に編集して掲載します。
── もとは、ODAメーリングリストNo.5172として配信されたプレスリリース(2005.1.19)です。

ニブヒ、ナナイ、ウイルタなど、サハリン北部の先住民族グループは、2005年1月20日正午よりサハリン北部ベンスコエで道路封鎖、パイプライン封鎖などの抗議行動を開始する。厳寒の中、抗議活動は数百人規模、24時間体制で続けられる。

今回のブロッケード行動は、「緑の波」と名づけられている。

これは、ロシア政府とエクソンモービル、英BP、サハリンエナジー(シェル・三井・三菱)など、サハリン島で石油・天然ガス開発を行っているすべての石油会社に対して行われる抗議活動である。

不当な弾圧を受ける恐れもあることから、サハリン北部先住民族代表は、昨年末、サハリン石油ガス開発事業へ融資を検討している国際協力銀行(JBIC=日 本の政府機関)や欧州復興開発銀行(EBRD)に「調停役」として現場に立ち会うよう要請していた。JBICは、この件に関して「調査中」とし、姿勢を明 確にしていない(1月18日現在)。

自然と密接にかかわりあって暮らすサハリン先住民族にとって、開発による影響は甚大。森林や動植物が失われることは、先住民族にとって死活問題である。彼らは魚への悪影響をすでに察知している。

北方シベリア極東ロシア先住民族連合(RAIPON)は声明文の中で「これまで企業は、サハリン先住民族の権利を考慮してこなかった。環境評価には、先住民族の伝統的な暮らしへ長期的な視点での影響や対応策などが全く含まれていない」と述べている。


◆詳しい背景、および、今後の情報は、FoE-Japanの「サハリン石油開発」のページへ:
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sakhalin/index.html
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sakhalin/letter/20050114.html

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いたちまる思うに、先住民族は、かれらの文化・慣習・生活を十分考慮にいれた公正な <社会的影響評価(SIA)> の実施を求めているのだ。まともなSIAをおこなわない事業に融資するのは、JBICの環境ガイドラインに対する明らかな違反ではないか?


なお、詳細は、FoEのウェブサイト:
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sakhalin/index.html
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sakhalin/letter/20050114.html

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